狼ノ章 エピソード1
まだこの世界について、あまり書かれていないと思いますが、次の次ぐらいに説明が入ります。予想をしながらでも、見てください。
「ハク‼起きろぉぉ」
廊下をどたどたとうるさい足音が聞こえてくる。
まだ体がだるい。目も開けたくはないので、僕は布団を深くかぶる。
「起きろってんだろがぁ」
「あ、あと三十分だk ぼふわぁ」
布団を引っ剥がされて仕方なく目を空けた先に、布団を持った姉がいる。正直怖い。
「あんた昨日、お父さんの手伝いするっ!って言ってったじゃん」
まだ働き始めていない頭をゆっくりと動かす。
「えーそんなこと言ってたっけ?」
「父ちゃんめっちゃ張り切ってるから、行ってやんな」
なんか言っていたような言ってなかったような?とりあえずだるい。
何分かは渋っていたのだが結局、姉に首の服のとろろをつかまれて、リビングまで運ばれていった。
「おい、ハク!見ろよこれ!でっっけぇのがとれたぜ‼」
「あーうん、大きいねー」
妙にテンションの高い父と畑で芋を掘る。棒読みで答えたはずなのだが満面の笑みで近づいてくる。
満面の笑みの父は開いた手をこっちに向けてくる。
僕はうんざりしながら、パンッと手を打ち付ける。
父はにひひと笑う。
なぜか、この笑顔を見ていると、やってよかったと思ってしまう。僕は照れ隠しに芋をひとつ掘った。
見てくださってありがとうございます。
良ければ感想やアドバイスを。
では、次のお話で。