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キャサリン編 第三者的立場で

ドウのアップデートを行ってきたのも結局はそれが目的の一つだった。キャサリンを外敵から守るのはもちろんのこと、彼女が他の誰かを傷付けそうになった時には身を挺して彼女を止めるのが役目でもある。


幸いここまではそれほどの事態には至らなかった。それは彼女の周りにいる者達がわきまえてくれていたからだ。彼女に対して余計な真似はしないでいてくれたからだ。


地球人社会にはちょっと変わった特徴を持つ相手に対して<好ましくない絡み方>をする者がいる。特に子供に多いというのが一般的な認識かもしれないが、実際には大人にもそういうタイプは少なからずいる。子供の場合は『人生経験が足りなくて未熟であるから』と言えるにしても大人と言われる年齢になってもそれが改まらない人間もいるというのは単に<人生経験の差>と言うよりも、


『誰に何を教わったか?』


が大きい気がする。


『他人の特徴については揶揄していいと教わったがゆえにそういうものだと思い込んでいる』


と考えた方が腑に落ちるよな。だからこそ俺達は自分の子供達に対してそんなことを教えようとは思わない。そして教わってないから子供達もそんなことはしようという発想も持たない。<好奇心>を持ったり<興味>を引かれたりすることは当然のようにあっても『揶揄する』という形ではそれを表現しないんだ。


<野生の獣>に限りなく近いキャサリンも、基本的には、


『仲間と敵とそれ以外』


という認識で世界を見ているらしく、関わり方も非常にシンプルだ。


『誰かの特徴を揶揄し蔑む』


なんて面倒な関わり方はしない。<他人の恨みを買う生き方>はしないんだ。


しかし同時に<他人の都合に合わせる生き方>もしないから、そういう形で他人の反感を買うことはあるかもしれないが。


その辺でキャサリンのような人間を『邪魔で不快に感じる』者も多いと思う。彼女が自分達にとって都合よく振る舞ってくれないことを『敵対行為だ』と解釈する者も多いと思う。地球人社会では。


だけどここではそれについては現時点では何も心配していない。


<自分にとって邪魔で不快に感じる相手を否定し揶揄し蔑み攻撃していいという感覚を持つ者>


がそもそもいないし。


でもやっぱり人口が増えて人間社会が出来上がっていく中でそういう感覚を持つ者が現れないという保証もない。


そうなった時にAIが『第三者的立場で』客観的に振る舞ってくれる必要があるんだよなあ。地球人社会もそれで何とか成り立ってるわけで。



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