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キャサリン編 報復を願ったからこそ

『キャサリンが誰かを傷付けた場合にどんな処罰を行うか?』


これは本当に悩ましい問題だ。彼女はきっと<罰>というものを理解できないだろう。こちらが彼女を罰しようとすれば彼女にはただの<攻撃>としか受け取られないに違いない。


『罰を与える』というのは現代では本質的に、


『当人に反省を促す』


のが目的にあるはずだが、それと同時に<報復>という意図もあるのは事実なんだろう。被害者やその身近な人間が自力救済のために報復を行うのは法に触れる場合が多いが、だからこそ『代わりに報復する』的なニュアンスが求められる一面もある。その場合はまあ簡単だろう。ただ痛め付けたりすればいいだけだろうから。


けれど、それはそれで、


『じゃどこまで報復を認めるか?』


という問題に直面することになる。単に『ムカついた』だけで報復を認めていれば今度は、


『報復を受けない人間はほとんどいなくなる』


だろうし。


<何一つ他者を不快にすることがない人間>


なんて限りなくゼロに近いだろう。赤ん坊が泣くのでさえ『不快だ』と感じる人間がいる以上は。


さすがにそこまで報復を認めるのは極論に過ぎるにしても、


『じゃあどこまで認めるか?』


で間違いなく揉めるだろうな。きっと俺だって、


『そこを認めるんだったらこっちも認めろ!』


と思ってしまうのは容易に想像できる。


<ザマァ>なんてネットスラングが<一般的な言葉>として定着してしまうほど<報復を求める人間>は多いし<報復を求めたくなってしまう事例>は多い。しかも今は犯罪発生率が大きく下がっているからこそ、


<犯罪とまでは言えない事例>


についてまで報復を求めてしまう傾向があるとも言われている。昔であれば『そのくらいは仕方ない』で済まされていたことまで報復を望むのが増えたとも。もっともそれ自体は『かつては表に出てこなかったものが表面化しただけ』とも言われていたりするが。


それくらい人間というのは感情に振り回される動物で、線引きが難しいんだろう。AIがその辺りをサポートしてくれているものの不満が完全に解消されるには至っていないし、その不満がもとで起こった事件も確かにあるそうだ。


『報復を願ったからこそ自分自身が報復される側になる』


なんて笑い話にもなりゃしない。本末転倒そのものだ。


だからこそやっぱり、


『事件が起こらないようにする』


のが最も重要なんだと痛感する。起こってしまってからじゃあまりにも厄介事が増えすぎる。


となればこそキャサリンとの接し方には気を付けたい。



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