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姉妹共闘(光と灯)

ボクサー竜(ボクサー)の姿に気付いた順番は、(あかり)(ひかり)の順だった。


要人警護仕様のメイトギアであるイレーネの索敵能力は、生き物じゃ到底敵わないレベルだからさて置くとしても、(あかり)の能力も素で高い。ボノボ人間(パパニアン)の血をひく(ひかり)を明らかに上回っているのが分かる。


ただ、その勘の良さと、旺盛すぎる好奇心から、これまでちょくちょく危ない目に遭ってきたのも事実なんだよな。思わずカマキリ人間(マンティアン)の前に飛び出して危うく狩られそうになったことさえある。


その時は、ドーベルマンDK-a(しち)号機の威嚇攻撃とイレーネの救護によって事なきを得たが、これが、今まで留守番を命じてた一番の理由なんだ。


ただ今回は、さすがにもう(あかり)も分かってきているのが伝わってきた。身構えたまま様子を窺ってる。確認しようといきなり飛び出したりはしない。それを承知してたから(ひかり)も同行を認めてくれたんだ。


「狙ってるね…お姉ちゃん……」


ボクサー竜(ボクサー)が自分達を狙ってることも察してる。


イレーネは(あかり)(ひかり)の背後にいるから見えないが、今頃、殆ど牙のように発達した犬歯を覗かせながら、(あかり)ボクサー竜(ボクサー)を威嚇してるところだろう。一方の(ひかり)は自動小銃を構えている。


瞬間、視界に捉えていたのとは全く別のところから、黒い影が(ひかり)目掛けて飛び出してきた。ボクサー竜(ボクサー)だ。他に潜んでいたのがいたんだろう。


しかし、イレーネが助けに入るよりも早く、あかりの蹴りが飛び掛かってきたボクサー竜(ボクサー)を空中で捉えて叩き落としていた。


「ギャウッ!」


という悲鳴が響く。ボクサー竜(ボクサー)の悲鳴だった。


見た目こそはただの人間だが、(あかり)の身体能力そのものは紛れもなく(よう)のそれを受け継いでいる。


「お姉ちゃんに手を出す奴は許さない…!」


そう言う(あかり)を見た(ひかり)の目が、冷静そうでありながらどこか嬉しそうに見えたのは気のせいだろうか。


いや、気のせいじゃないだろう。ぜんぜん性格が違うように見えて、この姉妹はとても仲がいい。弟妹思いの(ひかり)とお姉ちゃん大好きの(あかり)だからな。


そして、(ひかり)が、密林に潜むボクサー竜(ボクサー)目掛けて自動小銃を斉射した。自分がボノボ人間(パパニアン)の血をひいていて戦闘能力という意味では不利であることをちゃんと理解してる(ひかり)は、武器を使うことをためらわない。


自動小銃に込められているのは樹脂弾頭のスタン弾だが、当たれば半端なく痛いのは間違いない。こちらの強さをアピールするには十分な威力がある筈なのだった。



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