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キャサリン編 小賢しい覚悟

とにかく今日はもうキャサリンは不貞寝を決め込むことにしたようだ。地球人のように分かりやすい<娯楽>があるわけでもない彼女は、『することがない』となれば体を休ませることを優先する。


本当は地球人もそうするべきなのかもしれないが、そうした方が肉体への負担も減るのかもしれないが、<欲望>が先に立ってしまうんだろう。しかしその一方で栄養状態の改善や医学の進歩により<寿命>は延びた。と同時に<生活習慣病>といった疾病の類も増えてしまったのは皮肉な話ではある。がそれすら医学を進歩させて対処してしまったんだよなあ。地球人は。


野生の生き方のままだと寿命は短いことが多い。地球の動物だとゾウガメなどはかなり長く生きるとは聞くものの、無脊椎動物にはクラゲの一種のように実質的な<寿命>を持たない生き物もいるものの、加えて野生の方が長く生きて人間に飼育されてる状態の方が寿命が短くなると言われている動物もいるものの、医学的にしっかりと管理されている方が比較的長く生きることが多い傾向にあるそうだ。


アラニーズの寿命がどれくらいなのか、ヒト蜘蛛(アラクネ)と変わらないのか、そこはまだ分からない。<例の不定形生物由来の肉体>を持つビアンカとキャサリン達とでは違いがあるのかどうかすら分からない。


そもそもオリジナルのビアンカは老化抑制処置を受けていて、今のビアンカの<地球人そっくりな部分>は確かに老化抑制処置の効果も再現されているとはいえ<アラニーズ本体>の方はどうなのか。これもヒト蜘蛛(アラクネ)に比べると老化は明らかに遅いというのは分かっている。が、果たしてどれだけの違いがあるのかまではまだはっきりしない。


もしキャサリン達が自分より寿命が短いとしてもその辺りについて俺と同じように覚悟はしているそうだ。その覚悟があるかないかで受けるストレスは大きく変わると思う。


ここで<人間>として生きるならなおさらその辺りの覚悟は重要かもしれない。


キャサリンはそんな<小賢しい覚悟>なんか超越している印象はあるか。


そのキャサリンをドウが静かに見守ってくれている。彼女がどれだけ生きるとしても最後まで見守ってくれるだろう。


と、今はサディマのことが重要か。とはいえ彼は今、コーネリアス号に収容されてメディカルチェックを受けているところだから今の時点では何もできない。


コーネリアス号を見ても、


「なんだろう、知っている気はするんだけれど思い出せない……」


と口にしていたし、まだまだこれからか。



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