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キャサリン編 人間相手よりは

しかし、雷雲はもうサディマの真上にまで迫ってきていた。と同時に激しい雨が降り出す。それこそ、


『雨とそれ以外の境界線がはっきりと分かる』


くらいに極端な降り方だった。まあここではそれがむしろ普通だが。


「!」


ハチ子の望遠カメラで捉えられた彼の姿が霞むほどに強烈な雨の中で両腕で頭を庇うような姿勢を取る様子が分かった。もはや滝のような豪雨に曝されればそれも当然か。


ここまでの雨だとハチ子も安全に飛ぶことはできない。ゆえにドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱを地上に降ろし退避させる。


もっともドーベルマンMPMはともかくホビットMk-Ⅱの方は<水泳部仕様>じゃないから何の対策もなくここまでの雨に曝されると機能不全を起こす可能性はある。なので元々装備させていた<レインポンチョ>を身に着けさせる。これでいくらかはマシになるはずだ。が、それも決して万全じゃないからな。なるべく短時間で保護を完了させなきゃならない。


雨が降っている部分はすでに地面がぬかるんでタイヤではまともに走れなくなっていたため、ドーベルマンMPMもホビットMk-Ⅱも脚を使って走る。しかしそれさえぬかるんだ地面では踏ん張りが利かずスピードが上がらなかった。


と、ホビットMk-Ⅱの一機に警告表示。レインポンチョを着けていても激しすぎる雨のせいで内部に浸水したんだ。いやはやとんでもない。が、今の時点では浸水警報だけで機能には影響がないし動けるからそのまま任務を続行させる。人間なら無理はさせないがロボットの場合は足を引っ張らない限りは使えるところまで使うし駄目になった時にはその場で待機させて後で回収するだけだ。何よりも人命を優先する。


そうしてサディマのところに辿り着くと、彼も気付いたらしく駆け寄ってきた。


「助けてくれ!」


オリジナルの記憶が完全に戻ったのかどうかまでは分からないものの少なくともロボットに対して怯えたりしない程度には色々承知できているようだ。


完全に戻っているのなら自身の身元を明かすかもしれないが、まあ向こうとしても相手の正体がはっきりしない段階で身元を明かさない判断をするのは変じゃないだろう。もっとも今の一般的な地球人の感覚だと、


『ロボットは人間の敵じゃない』


が当たり前だから人間相手よりはよっぽど頼ってくることが多い。が、ドーベルマンMPMやホビットMk-Ⅱのようなロボットは逆に今の地球人社会じゃ一般的じゃないからその辺りで警戒されている可能性はあるか。



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