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キャサリン編 彼女なりに

『サディマ・バーティラルの保護も同時に行う!』


俺の<指示>を受けて空港に待機していたドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱらが一瞬の躊躇もなく<出動>した。人間の場合は諸々の準備が必要だが、ロボットは<必要な装備>についても待機所に備えられているから起動と同時に装備されてそのまま発進できるんだ。今回は当然<救助用の装備>が選択された。<救急キット>をメインとしたそれだ。加えて水分と栄養を同時に摂取できるパウチ及びシーツや簡易衣服もパッケージされている。


なお、<武器>については自動小銃とナイフは標準状態で装備していて、それ以上の火器類はハチ子の方に装備されている。大型のライフルとかロケット砲とかが。必要に応じてそれを持って降下するわけだ。


先行した部隊はあくまでもキャサリンを援護するための部隊だったが、上空で待機していた方はさら進出してサディマの保護にあたる。


それにしても、


『どうしてこんなところに<不定形生物由来の個体としてのサディマのコピー>が?』


という疑問はある。彼が今いる場所は、<例の不定形生物が生息しているであろう大きな河>からは十キロ以上離れている。そこから歩いてきたのだとすれば『よくここまで無事で』という話だ。なにしろこの辺りは、レオンやオオカミ竜(オオカミ)が闊歩する危険な原野だし。そんなところを何一つ武器も持たない裸の人間(地球人)が彷徨っていて一日も無事でいられるとは思えないだろう。


とはいえ、この広い草原においてはレオンやオオカミ竜(オオカミ)の群れも<小さな点>でしかない。だから遭遇しない時はまあ遭遇しないか。実際、動向が確認できている主な群れはそれぞれ離れた場所で狩りを行ったり休んだりしてたしな。


が、群れから離れたりして単独行動している個体もいるだろうし、草原の<サイゾウ>は気性も荒いし、猪竜(シシ)だっている。さらには草食獣といえど危険を感じた時には自分の身を守るために襲ってくることもある。そういう諸々を考慮すればやはり大変な幸運だと思う。


にしても、キャサリンの方はまさにサディマの方に向かって全力疾走中だ。彼女の知覚能力からすれば彼の存在に気付いていても不思議じゃないものの『なぜ?』という疑問は湧く。彼女は<人間>を敵視はしないし一応は<仲間>だとは思ってくれているようだから、彼女なりに何か対処しようと思ってくれたんだろうか。


それがどうかは今の時点では分からないにせよ、とにかく二人を守ることには変わりない。



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