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キャサリン編 私で力になれるんなら

ああそうだ。何かを失敗した時に、失敗した当人がそこからどう切り替えていくかももちろん大事ではありつつ、特に競技者なんかの場合は失敗することを前提に競技に臨んだりしないことも多いだろうから、当人を支える形になる周囲の人間がどうフォローしていくかを考える必要があると思うんだ。


もっともキャサリンの場合はそもそも狩りを失敗した程度じゃ凹んだりもしない。不機嫌そうな険しい表情になったりはするもののほんの一時だけだ。さっさと気持ちを切り替えて次に臨むだけなんだよ。もしそこで感情的になってドウに八つ当たりすることもあるかもと思ったが、以前はそういうこともないわけじゃなかったが、成長と共に割り切れるようになったのか、今はそういうこともない。


幼かったキャサリンが八つ当たりしてきた時にドウは彼女が怪我をしないように攻撃を受け止めてくれた。バージョンアップを繰り返し性能が向上したドーベルマンMPMであるドウには造作もないことだった。それがまた頼もしい。キャサリンのパートナーとしては申し分ないだろう。キャサリンとしてもドウ以外をパートナーにするつもりはないようだ。


ロボットであるドウとの間じゃ子供はできないにしても、彼女自身がそれを望まない限りはこちらからはとやかく言うつもりもない。干渉もしない。


ただその一方で、もし彼女が子供を望んだ時には<人工授精>という方法も考えてる。たぶんその場合は『アラニーズ本来の形で』の妊娠になるだろうから、アラニーズ以外からは精細胞の提供は受けられないだろう。となると現状ではケインかビアンカからということになる。


ケインは<男性>であり、しかも遺伝子はキャサリンのそれとはまったく別なので、『同じ母親から生まれた兄妹である』という点では倫理的な問題になる可能性もありつつも単純に医学的な観点からは何の問題もないんだ。


同じくビアンカも<実の母親>ではあるものの<例の不定形生物由来で顕現したキメラ個体>特有の、


『複数の遺伝子を持つ』


ことで、キャサリンとは遺伝子的な繋がりを持たない精細胞が採取できるんだよ。もちろんこちらもケインの場合と同じ倫理的な問題になる可能性はありつつ、


「私で力になれるんなら是非協力したい」


と言ってくれている。これについて皮肉にもビアンカもキャサリンも『人間じゃない』からAIの協力も得られてしまう。コーネリアス号の医療設備で十分実施できるんだよ。確実に。



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