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未来編 数千年に亘って蓄積して

『自分にとって都合のいい群れを追い出されないために自分はどうすればいいのか?』


<人間並の知能>までは持たない素戔嗚(すさのお)でさえそれは理解できている。なのに地球人には自分がそのコミュニティ内で平穏に暮らしていくために必要なものを理解してなさそうな奴も少なからずいた。


<法律やルールを蔑ろにする輩>


なんてのはその典型だと思う。


『法律やルールにさえ従っていれば平穏に生きていける』


わけじゃないのは事実でも、そうしていても理不尽な目に遭うこともあるのは事実ではあっても、だからといって自らの意思で意図的に法律やルールを蔑ろにするのは<愚か>でしかないと思うんだよ。ましてや、


『法律やルールに縛られない自分、カッコイイ♡』


なんてのはつくづくどうかしてる。しかもそういうのが後を絶たなかったから自動車は自動運転が当たり前になってしまった。


『自動車を運転する楽しみが奪われた!』


と憤る者もいたらしいが、その自分の楽しみのために他人を危険に曝すようなことをするから自動運転が採用されたんじゃないのか。要するに『ただただ自分で自分の首を絞めただけ』なんだろうさ。


それに今でも自動運転を解除して手動で運転することはできるし。ただそれをすると、


『周囲の流れに乗ることすらできない程度の自分の腕を思い知らされる』


ことになるだけらしいが。しかもすぐに<法律に触れる運転>をやらかして警察がすっ飛んでくるらしい。<速度違反>や<通行区分違反>や<一時停止違反>という形で、一時間とまともに運転できないそうだ。


周囲がきちんと交通ルールに則って運行されてるから余計に目立つとのこと。自動運転を嫌がる奴は『自分の腕に自信がある』らしいものの実際には単に『マイルールで身勝手な運転をしたいだけ』なのがほとんどなんだと。で、<流れ>を乱して悪目立ちする。


かつて俺がやってたみたいにものすごく空いてる道で一時的にするだけなら好きにすればいいんだろうが、それでも他に人を乗せてたら怖がられるのがオチらしい。


自動運転用のAIは『いかに人間に不安を抱かせないか』『いかに人間に恐怖感を与えないか』を最優先にしてその上で心地好い運転を実現しようとしているそうだ。


『そのためのノウハウを数千年に亘って蓄積してきた』


わけで。そうだ。自動運転が本格化し始めた二十一世紀半ば頃を起点としても三千年以上もの間、自動運転のためのノウハウを蓄積してきたんだ。加えてメイトギアが人間の傍で人間を見守り続けてきた<人間の心理に関するデータ>も取り入れつつ。



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