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未来編 相応の理由があったんだろうな

今の地球人社会でメイトギアを運用している家庭では<家庭内暴力>なんてもの自体が成立しない。メイトギアが身を挺してそれを防いでくれるからな。


そしてそれは、


『親が子供に対して暴力を振るう』


ことについてもだ。軽く手をはたいたり頭をはたいたり程度のことまでは大目にも見てくれるもののそれ以上については、


『それは<暴行>に該当する可能性が高くなります』


と警告してくれるんだよ。それでもなお実行しようとするなら子供との間に入って自らが代わりに暴力を受ける。これによって子供も親も守るんだ。


『子供は<親の暴力>から、親は<刑法犯になってしまうこと>から、守ってもらえる』


ということだな。加えて、


<暴力によって他者を従わせようとする手法を子供が学び取ってしまうこと>


も未然に防いでくれると。


大人である親が幼い子供に対して暴力を振るうのは<正当防衛>にさえ該当しない。俺の子供達のように獣人としての身体能力を持っていたりすればさすがに力の上で対等以上の存在だとしても<地球人の子供>はそうじゃない。それこそ子供の方が拳銃でも持っていない限りは勝負にさえならない。


そんな相手を暴力で従わせるという手法を実践するというのがいかに危険かわきまえる必要があると改めてここで学んだよ。それこそ乳児の間なら俺でもなんとか勝てるかもなレベルの子供達にそれを真似られたら、すぐさま危険に曝されることになる。そんなやり方を学ばれたら困るんだ。


そして地球人の子供でもある程度以上の年齢になれば『武器を用いる』こともできるようになる。そうなるともう後は『運頼み』だろうな。それが自分に向けられるきっかけが生じないでいてくれることを祈るしかないんじゃないか?


メイトギアが家庭にいる今の地球人社会なら『万が一の事態に陥る』こと自体が、


『途轍もなく運が悪い』


という話になるにせよ、かつては、


<子が親を殺す事件>


というのもそれほど珍しいものでもなかったと聞いた。俺も両親に対しては反発したこともあったものの『殺す』なんてのはさすがに埒外の発想だった。何がどうすればそこまで親を恨めるのか俺には分からない。俺がただの反発以上に憤ってたのだって『俺と光莉(いもうと)を残して事故で死んだ』ことについてだったし、あの人達自身には感謝こそすれ恨みはない。


だからもう『殺せる』時点で相応の理由があったんだろうなとは思うんだよ。


『親を殺したいと思うことはあっても実行までは至らなかった』


という人間には分からないかもしれないが。



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