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未来編 本当に簡単ですぐにできるもの

『他人は安易に見捨ててもいいが自分は見捨てられたくない』


本当に露骨にそんな考えの人間も多かったと思う。ネットの中でも現実でも。そもそも他人を人間扱いしない輩はほぼ全員そうだろうな。気に入らない他人のことは虫や獣やクリーチャーのように思ってて『いなくなればいい』『死ねばいい』『消えればいい』だとか平気で口にできるわけで。


もちろん俺だってそんな風に思ってしまうことがないわけじゃない。特に光莉(ひかり)の件があった時期は、


『人間なんてすべて滅べばいい』


とさえ願っていたし。まあこの場合は『俺も含めて』だったが。


『だったらお前一人が消えればいいだろ!』と言うかもしれないが、そうじゃないんだよなあ。『俺も含めた人間すべて』ってのが重要なんだよ。理屈じゃないんだ。


だから『他人は安易に見捨ててもいいが自分は見捨てられたくない』ってのも理屈じゃないんだろうが、それでもそんな身勝手は通らない。俺の『人間なんてすべて滅べばいい』ってのが叶わなかったのと同じだろうさ。


となれば『他人は安易に見捨ててもいいが自分は見捨てられたくない』なんて考える必要がないようにするのが大事だと思う。そんな叶いもしない身勝手なことを願ってわざわざストレスを溜め込むとか、無駄の極みだろう? もはや自傷行為に等しいと俺は感じるんだ。


自分の思い通りにならないことについてもストレスはあるにしても、そもそも『自分の思い通りにならないのが当たり前』と承知していられればその分だけストレスも軽くなるんじゃないか? 


それを『手本として示す』には本当に簡単ですぐにできるものがある。


<子供と接すること>


だ。自分の子供であっても相手は<自分じゃない人間>だ。自分じゃない人間は自分の思い通りにはならない。その<思い通りにならない相手>と親自身がどう接するか自体が<子供に実際に見せる手本>になるはずなんだ。そこで、


『どうして思い通りになってくれないんだ!?』


とキレてたら子供だってそうやってキレるのを学び取ってしまうだろう? 子供は親をはじめとした身近な人間の振る舞いを見て<人間としての振る舞い>を学んでいくんだし。


それを承知していればケインやイザベラを蔑ろにするなんてことができるはずもないさ。価値があるとかないとかそんなのは問題じゃない。


<誰かを蔑ろにするという振る舞い>


を実際に子供に見せてしまうのが大きな問題なわけで。


俺達はそれを承知していたいんだよ。<子を持つ親>として。



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