未来編 思い通りにはならない
<肌触りのよさ>も<機能性>も、はっきり言って今の<化学繊維>と言うか<人工繊維>の方が『次元が違う』レベルでいいんだ。安全性も同じ。天然繊維にもある程度『燃えにくい』『化学薬品に強い』ものはあるにせよ、人工繊維のそれとはやはりまるで異なる。今の人工繊維は<防汚性能>もそうだが<耐火性能>も高く<耐食性能>も高い。多少の化学薬品が付いたくらいじゃ腐食されないんだよ。だから万が一素肌が出ていない部分にそれを浴びても<化学熱傷>になりにくいしなったとしても軽度で済むことが多いそうだ。
基本的に<アレルギー>も起こさないし。
なのに獣人の形質を継ぐ子供達にとってはそれ自体が拭えない違和感になってしまうのか、光も灯も今でも素肌に触れる部分についてはここで作った天然繊維のものしか身に着けてくれない。
だがその分、洗濯する時には水洗いだけじゃ汚れが落ちないから<洗剤>が必要になるんだよ。ゆえに洗濯排水はそのまま流すこともできず一時貯留の上で無害化処理を行ってから流すようにしてる。ちなみに<トイレの排水>とはまた異なる処理が必要だから別の設備なんだ。今は十分に対処できてるが人間社会が出来上がって人口が増えて<街>レベルのが現れてくると大規模インフラとしてしっかり運用できないと駄目だよな。
だからこその<ロボット>ではある。設備さえあれば人間のように<育成>する必要もないから<マンパワー>の確保が容易になるわけで。
ただし、それ自体を管理する人材はやはり必要だ。光莉号やコーネリアス号のAIで当面はなんとかするとしてもそれじゃ、
『人間はロボットに飼われてる』
って話にもなりかねない。だからこそコーネリアス号のクルーで<エンジニア系の人員>が顕現した時には確実に保護したい。それもあってホビットMk-Ⅱをどんどん派遣してるんだし。残念ながら現時点ではシオやレックスやルイーゼ以降の事例は、
<生存した状態での保護>
は成功していない。<すでに白骨化した遺体>については何度か確認できていて、だからこそ<結構な頻度で起こっている事例>であることは裏付けが取れている。あとはそれが起こった瞬間に遭遇できるかどうかだ。その可能性を高めるためにもホビットMk-Ⅱの生産と派遣は続けていかなきゃな。
が、一方で牙斬とは迂闊に接触できないし、牙斬のような事例と遭遇すると厄介であるのもこれまた事実。
この世ってのは本当に自分の思い通りにはならないな。




