未来編 事件の原因
『目先の自分自身の感情しか見ていないから』
ああそうだ。人間社会で起こる＜事件＞の多くは結局のところそれが根本的な原因の一つになってるものがほとんどだった。＜目先の欲求が動機の場合＞も、
＜自分の目先の欲求を抑えられないという感情＞
なわけだし。俺は自分の子供達にそうなってほしくないんだよ。その気持ちはシモーヌも光も灯もビアンカも久利生も同じ。と言うか、＜普通の親＞なら自分の子供に不幸になってほしいとは思わないだろう？ ただ、
『どうすればそれを回避できるのか根本的な部分が分かってない親が多い』
というだけで。まあそれは、
『親自身が＜親の親＞から教わってないから』
なのが大きいのかもしれないが。だったら俺達は親として子供にそれを分かってもらう必要がある。結局のところ、
『自分の目先の感情だけに囚われているとトラブルの原因になる』
と分かっていないとどうやればいいのかもわからないし。俺は自分の両親からそれを教わっていたからこそ分かるという実感がある。
『自分の感情を抑え付けてるだけじゃいつか爆発するだろ！』
と言うかもしれないが、だから、
＜自分の感情を抑え付けるだけという対処の仕方＞
しか教わっていないんだろう？ それどころか、
『当の親そのものから過剰なストレスを掛けられてきた』
場合すらあるんじゃないのか？ しかもそういう親は自分が子供に対して過剰なストレスを掛けていることを誤魔化すために『とにかく我慢しろ』的な対処の仕方しか教えなかったり。だから子供の方も他人に対して『とにかく我慢しろ』的なことしか言えなかったり。
＜我慢＞なんてのは所詮は＜一時凌ぎ＞でしかない。
『昂ってしまいそうになる感情を一時的に抑え付けてその間に状況の改善を図るための時間稼ぎの手段でしかない』
はずなんだ。それは＜根本的な解決法＞じゃないんだよ。ましてや親自身が子供に対して過剰なストレスを与えるとか、
『わざわざ問題を作ろうとしている以外の何ものでもない』
はずなんだ。
もちろん『まったくストレスを掛けない』なんてのは不可能だと俺も思うし分かってる。『子供に何一つストレスを掛けるな』とか言いたいわけじゃないし俺自身がそんなことできてない。ただ、
『親自身が自分の感情を子供に対してぶつけることでストレスの転嫁に利用する』
なんてことをしてるとしたらそれは＜愚か＞としか言いようがないだろうなあ。そんなことをしていて＜感情の制御の仕方＞＜ストレスの和らげ方＞を子供が学べるはずがないだろう？
