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未来編 それが発端だった例

『自分が気に入らないからと言って匿名のネットを通じて攻撃的に振る舞う』


なんてのは、


『相手からの反撃を封じ自分だけが一方的に攻撃したい』


という<卑劣>以外の何ものでもないと俺は感じてる。それを<正当な行為>だと感じてる人間の感覚を感性を頭ごなしに否定するつもりはないものの、(ひかり)(あかり)錬慈(れんじ)もルコアも未来(みらい)黎明(れいあ)蒼穹(そら)もケインもイザベラもそれをよしとするタイプじゃないんだよな。納得のいかないことがあれば直接面と向かって『自身の意見を述べる』だけで。しかも『自身の意見を述べる』場合もちゃんと『言葉を選ぶ』ようにしてくれている。イザベラは必ずしも知能が高いわけじゃないからあまりその辺は得意じゃないにしても、ついきつい物言いをしてしまうことはあっても、それを『正しい』とは思ってないんだ。


それは結局、周りの大人が、特に<親>や<親代わり>である大人達が普段から自らの振る舞いで手本を示してきたからこそ、


『匿名の陰に隠れて相手を一方的に攻撃する』


みたいなやり方を学び取れなかったってことだろうさ。いわゆる<陰口>的なやり方をな。


<ネットの匿名性>は、かつてはただの<陰口>でしかなく本人には届かなかったことも多いそれを本人の目に留まる形で発信できるようになってしまったんだよな。しかも『意図して本人の目に留まるように』だ。ついつい陰口を叩いてしまうことがあるのは俺自身そうだったから、


『絶対に陰口を叩くな!』


とまでは言えないもののつい陰口を叩いてしまうのを正当化しないようには心掛けてたんだよ。それを正しいことだとは考えないようにしてた。これはシモーヌもビアンカも久利生(くりう)もシオもレックスも同じだ。俺がそうできたのは俺の両親がそうだったから感覚的にそう思えてただけで俺が自ら会得したものじゃない。また、シモーヌ達がそうなのは、元々そうだったのに加えて、


『宇宙船という限られた空間内で極めて限定的な人間関係の中で何年も過ごさなきゃいけない』


なんて特殊な環境下で致命的な破綻を招かないようにするためには、


『陰口を正当な行為だと考えるようなタイプは極めてリスクが高い』


のを承知してなきゃいけなかったからだな。事実、その辺りを考慮しなかったごく初期の数例では乗組員同士の疑心暗鬼から殺人事件にまで至ったのすらあったそうだ。


『陰口や悪口くらい仕方ないだろ!』


と考える人間は多かったが、実際の<事件>もそれが発端だった例が非常に多かったはずなんだよな。



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