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未来編 反発する理由

『子供の話に耳を傾けず親が思う正しさを一方的に押し付けようとする』


子供というもの自体が<人間>である以上、親のそういう振る舞いが<反発する理由>には十分になると、俺自身が親であるからこそ身に沁みて分かってしまうんだ。だから俺は自分の子供達に対して<俺が思う正しさ>を一方的に押し付けることは避けようと心掛けてた。もちろん決して完璧だったとは思わないが、『親子関係が致命的に破綻する』ほどのものじゃなかったのも確かだと思う。まあその辺はエレクシアやセシリアのフォローがあってこそのものだというのも承知してるけどな。


しかし、


<親や環境や境遇にも恵まれて何不自由なく暮らしていたはずにも拘らず鬱屈したものを抱えていた主人公>


の物語の中でその親はどうにも一方的に<親の思う正しさ>を押し付けようとしている姿が多かったように感じる。そしてそれこそが、


『自分の子供を一人の人間として認めていない』


事実そのものであり、主人公が感じている閉塞感や鬱憤の原因そのものなんだろうなと思うんだよ。


もちろんそれだけで全ての子供が<何もかもをぶち壊すような行動>に出るわけじゃないが、


『全ての子供が何もかもをぶち壊すような行動に出るわけじゃない』


こと自体が、


<人間というものは画一化された工業製品じゃない事実を裏付ける証拠>


なんだろうさ。そしてたまたま<親が自分を一人の人間として認めてくれていない事実>に対して過剰に反応してしまうタイプだった子供が突拍子もない行動に出てしまうんだろうな。


で、それを批判する人間も『自分じゃない人間を一人の人間として認めることができない』タイプなんだと思えて仕方ない。


<主人公の閉塞感や鬱憤が理解できない親>


と同類なんだろうさ。そういう人間が子供を持つと子供に反発されてもただただ被害者面するだけで自分に原因があるとは認めようとしないんだろう。


そういう主人公を批判する奴自身が『他人から自分の人間として認めてもらえてない』と感じた時には不満を抱いたりするのにな。


なるほど『不満を抱いても露骨に表に出さない』から、


『それを露骨に表に出す主人公の振る舞いが理解できない』


のかもしれないが、


『他人も自分と同じように振る舞うべきだ。感じるべきだ』


と考えているのがもう『自分じゃない人間を一人の人間として認めていない』以外の何ものでもないはずなんだよなあ。


でも俺は、


『自分が気に入らないからと言って匿名のネットを通じて攻撃的に振る舞う』


なんてのは好ましくないと思ってそうしないように心掛けてられたんだけどな。



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