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未来編 本当に意味が分からないな

俺達の誰も『他者を貶める』ことを日常的にやったりしない。ということはそれを見倣うこともできないよな。結局はそういうことのはずだ。誰かがそんなことをしているから子供もそれを見倣ってしまう。父親が母親を、母親が父親を、どこかの誰かを、子供の前で貶めるようなことをしていればなぜ子供がそれを真似ないと思えるのか。


『自分以外の誰かを貶めていい』


と子供も考えてしまうようになると思わないのか。


『自分だけがいくら綺麗事を並べても他人はそんなこと気にもしない!』


『向こうがしてくるんだからこっちもやらなきゃやられ損だ!』


そんな風に言うかもしれないが、だからここには『向こうがしてくる』ことがそもそもないんだよ。意見が対立することはあっても相手を貶めようとはしない。ましてや自ら死を選ばずにいられないほど追い詰めてくるわけでもない。それなのにどうしてまず自分が誰かを貶める振る舞いをしなきゃならないんだ?


地球人社会においても別に自分の方から誰かを貶めるような真似をする必要がどこにあるんだか。そんなことをすれば貶められた方から恨まれて報復を試みられても何も不思議じゃないと思うんだよな。


『やられたらやり返すのは当たり前』


『報復や復讐は当然の権利』


だと言うのなら自分が他人を貶めた時には報復や復讐されても当然だと認めなきゃおかしいはずだが、自分が報復や復讐される可能性が出てくるとなると、


『原因を作った方が悪い』


と話を逸らそうとするんだ。でも、未来(みらい)黎明(れいあ)もイザベラも蒼穹(そら)もそんな話とはまったく無縁に生きている。ただ自分の人生を謳歌している。その中で少しばかり衝突があったりするだけだ。しかしその衝突も、お互いの存在そのものを本気で否定しようとするものじゃないから<他愛ないレクリエーション>で済んでいる。


他人を貶めようとすることに躍起になるような人間にはおそらくまったく理解できないんだろうな。それこそ<空想の世界>のようなものかもしれない。でもな、自分から他人を貶めようとするような奴の周りにはたぶん同じようにそれを当たり前と考えてる人間しか残らないんだろうという気しかしない。そうじゃない人間は距離を取ろうとするだろうし。結果、少し気に入らないことがあれば自分を貶めようとしてくるような人間に囲まれて生きることになる。


そんな生き方が望みなんだろうか。


地球人社会で暮らしていた頃も不思議だったが、今ここで暮らしてると本当に意味が分からないな。



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