未来編 たぶん大きくは違わなかった
<他者を貶める行為が当たり前のように蔓延っている学校>
そんなものに通っていればそりゃそういう行いについても学び取ってしまうよな。子供に大きな影響を与えるのは親がダントツの一番とはいえ『それ以外が影響を及ぼさない』という意味じゃないし。ましてや親が子供とちゃんと関わろうとしてなかったらなおさら。
<他人から受ける影響>について、それが好ましくないものであったならそれこそ親が自らの振る舞いで『それは好ましくない』と示さなきゃいけないのにそうしなかったのなら他人から受けた影響がそのままになってしまっても何もおかしくないよな。
そういう意味でも<親の責任>は決して小さくないさ。『人間を育ててる』以上は。
自分の子供が他者を害してるのにその事実と向き合おうとしない親とかがその責任を問われないなんておかしいだろう。まあ今の地球人社会では<親の監督責任>についてもかなり厳格に問われるようになったが。
ただしこれも、
『メイトギアを使えば子供の見守りの負担も大きく減る』
からこそ実現したものらしい。それまでは、
『いくら親でもそこまで責任を問うのは忍びない』
と『自分も同じ状況に陥るかもしれない』的に考える人間多かったことで手心を加えられていたらしいとも聞く。それを聞けば聞くほど、
『親なんて大した存在じゃないよな』
という印象が強くなる。自分自身が親だからこそ。
しかしメイトギアをはじめとしたロボットの普及により親が直接子供を見守らなくても済むようになったおかげで負担も下がり、だからこそ、
『この程度もちゃんとしないのはおかしい』
という印象が強まったことで責任を問われるようになったという背景もあるのか。
まあ実際、俺もエレクシアやセシリアやイレーネがいてくれたからこそ子供達を育てることができたのは事実だしな。決して『俺一人が努力した』結果じゃない。でも、『自分一人で成し遂げたわけじゃない』事実を認めることができれば『他者を敬う』こともできるようになると思うんだ。自分だけで成し遂げたと考えてると自分がどれだけ周りから助けられ支えられているかも自覚できないだろうし。
なんにせよルコアに子供達の勉強を見てもらってるのはそういう諸々があってのことなんだよ。何よりルコア自身がそれを望んでるし。そうじゃなければモニカやテレジアにやってもらってたと思う。それを『ビアンカやルコアが手伝う』形で。
それでもたぶん大きくは違わなかっただろう。




