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未来編 残念な話

とはいえ、それは<専門家>や<その分野に強い関心を持っている者>にとってのみ必要性が感じられるひらめきだろう。普段からロクに関心がなく必要な時に必要なだけの情報さえ得られれば問題ない人間にとってはそれこそ<無用の長物>になる。それよりはやっぱり自分にとって重要と感じる分野の知識を求める方が有用だろうし。


人間の脳は非常に優れた機能を持つとはいえ、単に<記憶装置(ストレージ)>として考えるなら実は必ずしも『優れてる』とは言い難いらしい。しょっちゅう誤作動を起こすし取り出せなくなったりするし無意識のうちに無自覚に改竄が行われてしまったりするしで。例えば事件捜査に用いられる<似顔絵>にしたって目撃者から得られたそれが必ずしも正確だとは限らない。目で見た情報を脳がどのように処理しているかも大きく影響する。


そのクセ普段使うわけでもない知識を詰め込んで記憶領域を圧迫すればそれに対してもストレスを感じてしまうしで、必ずしもメリットがあるわけじゃないんだ。それよりは『日常生活に役立つ知識を優先して取り入れて余裕があればそれ以外の知識も』という形にする方が結果的に<QOL>も向上するそうだ。


考えてみれば<要領のいい奴>ってのは『本人が豊富な知識を蓄えてる』というよりも、


『必要な時に要領よく他人の力を利用できる』


『自分が苦手とすることについては得意な人間の助けを借りるのを躊躇わない』


感じだしな。


でもまあその一方で『最低限なことだけ知っていればいい』となると今度はその<最低限なこと>すらおぼつかなくなる場合もあるわけで、だからまあ、


『知識を吸収するという行為に慣れる』


ためにも<諸々の知識に触れる習慣>というのは身に付けておいた方がいいとも言われてる。だからこその授業と言うか勉強会と言うかでもある。


それをこうして何気ない感じで学び取っていってもらうのも目的なんだよ。


『ただ学校に通わせればいい』というのが通用したのは<義務教育>というものが成立したあとのしばらくの期間だけだ。だからこそ、


『子供に教育を受けさせないことで咎められるのを回避したいから仕方なく通わせる』


『だから学校の質については深く考えることもせずに手軽に通えたりステータスになるからというだけで選ぶ』


というのも蔓延してしまったらしいな。


『他者を貶める行為が当たり前のように蔓延っている学校であっても存在できてしまった』


のもそれが原因なんだとか。


残念な話だ。



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