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未来編 身内とそれ以外の区別

この辺りはなかなか悩ましい話である。肉体的にはいくら成熟していても<人間>として生きるのならさすがに九歳じゃ<大人>として認めるのは難しい。例え知能が成人並みであったとしても<精神年齢>というのはやはりそれなりの経験によってのみ成長するものだろうしな。


実際、イザベラは年齢相応のあどけなさを見せている。朝食をとっているところに押し掛けてきて『私と番え!』などといきなり発言するというのはやはり『精神年齢的に幼い』からだろう。


そういう意味では同じことをしている未来(みらい)も同様に幼いってことだろうな。精神的に成熟しているならそんなことはしないだろうし。


となればルコアが未来(みらい)をパートナーとして認めることに逡巡してしまうのも無理はないと思う。『もう少し大人になったらね』と言うのも道理だ。


ちなみに未来(みらい)はイザベラの求愛に対して、


『でもお前まだ子供じゃん』


と、実に<ブーメラン>な発言をしている。イザベラよりはまださすがに精神年齢的に上ではあっても(ひなた)(まどか)に比べれば間違いなく拙い。なのでもう少し掛かるだろうな。


ただ、未来(みらい)もイザベラも幼いなりに相手を気遣うことはいくらかできるんだ。自分の気持ちを受け入れてくれないからってキレて理不尽なことまではしない。それが実にありがたい。


イザベラは非常に野生に近いから衝動的で自身の情動に正直な面が確かにある。しかしそれは相手を傷付けるような方向では発揮されない。だからこそ、自分を呼び戻しに来たビアンカに対しても、


「ムーッ!」


拗ねたような表情はしつつも暴力に訴えたりもしない。主人によく懐いてるネコが過剰なスキンシップを嫌って<塩対応>したりしつつも外敵に対してするような攻撃まではしない感じかもな。


しかし生まれて間もなかった頃はそれこそ野生動物と大差なかった。無理もない。知能の面ではそれこそ<赤ん坊>であるにも拘らず身体能力の点では大型犬を上回るそれを発揮してるんだから、<反射>と<本能>だけで行動しているようなものだったし。


だからこそある程度成長するまではモニカやテレジア頼みで室内だけで養育してもらった。


その中で幸い<野生のヒト蜘蛛(アラクネ)>と違い<身内とそれ以外の区別>はつけられるのが確認できて、慎重に<家族>とのコミュニケーションをとって『敵じゃない』と承知してもらって、なんとか<人間としての関係性>を築くことができた。その手間を掛けたからこそ今があるんだ。


ビアンカに諌められて不満そうにしながらもそれに従うことができるくらいには。



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