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陽編 自分の親が嫌いなんだろうな

『厳しく躾けられたはずの人間が<自分より目上の人間>が減ってきて自分に厳しくする者がいなくなってくると傍若無人に振る舞うようになる』


なるほど<そういう目上の人間>を見てると、


『厳しくしないと嘗められる』


と感じてしまうかもしれない。何しろ『厳しく躾けられたはずの人間が、年齢を重ねて自分に対して厳しくしてくる者がいなくなったらそれこそタガが外れたような振る舞いをするんだったらな。しかもそんなことをしてる連中が、


『若い奴には厳しくしなきゃ駄目だ!』


とか言ってるなら、


『自分がそうやって厳しくしてくるのがいなくなって調子に乗ってるからこそそう思うんだろう?』


としか感じない。だが俺は自分に対して厳しくしてくる者がいなくても最低限の礼儀礼節はわきまえなきゃと思ってるよ。相手を嘗めるなんてそれこそ論外だ。俺みたいな人間でさえそう思うのに、その程度のこともできない人間がそんなに多いのか? 『厳しくしなきゃ嘗めてくる』と考える人間の周りにはそんな奴しかいないのか? それって『お里が知れる』って話じゃないのか?


確かに相手を嘗めてくるような奴は地球人社会にいた。そういう<恥ずかしい奴><情けない奴><自分の親の体裁を台無しにする奴>は実際にいたよ。でも、俺の友人知人の中でもそんな奴はごく少数だったように記憶してる。少なくとも<一般論>にできるほどの多数じゃなかった。もしそれが外面を整えてるだけだったんだとしてもそうやって『外面を整える程度のことはできる』なら上等じゃないか? 取り敢えず日常的に不快な思いはしなくて済んでたし。


結局はそういうことなんだと思うんだよ。


『例外的な事例を持ち出してまで自分を甘やかしたい奴もいた』


というだけなんだろう。


自分を甘やかしたくなる気持ちは俺にだってある。あるが、それをことさら表に出したいとは思わないな。そういうのを恥ずかしいと感じる程度の感性なら俺も持ち合わせてるし、それを恥ずかしいと思わないのがいるというのがむしろ不思議でさえある。


俺がそんな振る舞いをしていたら俺の両親がどう思われるか考えたら、意図的にはできないな。無意識のうちについついということはあったとしても。


俺は自分の両親を尊敬しているからこそそこを自覚してあの人達の評価を下げるような真似はしないようにしようと思えるんだけどなあ。


『自分の親の評価を下げるような振る舞いをする人間はきっと自分の親が嫌いなんだろうな』


と思ってしまう。



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