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陽編 そんなものの味方は

『子供にすることなんだから大目に見ろ』


と声高に叫ぶつもりは俺にはない。ないが、子供が悪意なくしでかすことについてことさら目くじらを立てるつもりもないんだよ。


もちろんその瞬間はイラッとしてしまうこともあるにせよ、しかしそれ自体が『お互い様』だろうからな。俺の子供達もきっと他人に少なからず迷惑を掛けることはあるだろうし、なにより俺自身が子供の頃には周りに迷惑を掛けたと思う。だからこそ鷹揚に振る舞うのが好ましいと考えてるんだよ。


ただ同時に、


『子供だから何をやってもいいってわけじゃない』


というだけだな。特に意図的に誰かを傷付けるような行いについては『大目に見る』つもりもない。本人に<悪意>はなかったとしても他者を害する行為においてのそれは<認知の歪み>だろうからな。<イジメ>なんてのはその最たるものだろうさ。


『イジメはイジメられる側に原因がある。責任がある』


なんて寝言を平気で言えるような人間は認知が歪んでる。『原因があれば、理由があれば、何をやってもいい』わけじゃない。人間社会においては。元々相手側が危害を加えるような真似をしてきたんだとしても<イジメ>なんて行いでそれに応じようとするのは本人はもちろんその周囲の人間も決定的に歪んでるだろう。実際、メイトギアはそんな形で事態に対処しないしな。イジメ加害者になりそうな者に法を犯させるような真似をさせないんだ。もし相手側に非がある場合にはその証拠を集めて然るべき機関に報告するし。


まあそれも人間のように『立場やしがらみのようなものを恐れる』というのがないからこそできることではあるだろうが。


その一方で、過剰に干渉することもしないから、<受け取り方の問題>と言えるような事例については敢えて一歩引いた状態を守るとのこと。相手に傷付ける意図もそれを示唆する要素も見られない他愛ないやり取りに対して差し出がましいことはしないんだ。


何しろ、


『イジメ被害を訴えることで相手を貶めようとする』


なんて事例も実際にあるわけで。


<弱者のふりをした卑劣漢>


も人間社会には確かにいる。そんなものの味方はしてくれないんだ。AIもロボットも。これも<人間のような心や感情>を持たないからこそのものだよな。人間の心や感情ってのは巧くくすぐられると容易く騙されてしまったりもする。しかし人間のような心や感情を持たなければ事実はただ事実として認識するし、事実じゃないものを事実とは認識しないわけだ。



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