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陽編 触れるべきエピソード

職場で一緒に仕事をする人間全員と仲良くできている奴なんて、俺は見たことがない。コミュニケーション能力が高くて誰とでも気さくに話ができるのがかつて勤めていたところにいたが、その人物ですら()(ざま)に言う相手はいたんだよ。


それでも仕事中は気に入らない相手に対してもハキハキとコミュニケーションを取りながら確実に仕事をこなしてたし、総じて評価は高かったな。まあ細かい部分では配慮が足りない面も見え隠れしていたが、少なくとも個人的な好き嫌いを理由に仕事の質が極端に変わることはなかったと思う。


で、まったく真逆なタイプもそこにはいた。気に入らない相手と組まされると極端にモチベーションが下がってパフォーマンスも落ちるのが。ノってる時はすごいのにそれだから、平均すると平凡以下になってしまうという。


まあ今の地球人社会であればそんなのでもメイトギアのフォローが入るからそこまで深刻な影響はないものの、傍で見てる分には、


『子供みたいだな』


というのが正直な印象だった。なにしろ気に入らない相手には挨拶もしないんだ。相手が挨拶してきても無視する。社会人としてその振る舞いはどうなんだろう。さらには、今の地球人社会では<年齢>はある程度まで行くともうほとんど意味がなくなるとはいえ、俺よりも年上だったんだよな。十数年。それであれだったから。


基本的に両極端な例だとは思うものの、穏当に接することができれば波風立てることなく過ごせるんじゃないか? 俺達が穏やかに過ごすことができてるのも結局はそれなんだ。決して相容れることのない相手であっても無闇に衝突しないから安らかでいられる。


無論、そこは『お互いにわきまえることができるからこそ成立する』というのもありつつ。どちらかが刺々しい態度を取ればさすがに空気も悪くなるわけで。


だからこそ人間としては『相容れない相手とでも穏当に適度な距離を保つにはどうするか?』を学ぶ必要があるはずなんだ。


無駄な衝突がないから<触れるべきエピソード>も減ってしまうんだけどな。


防衛体制も整って、竜生(りゅうき)のような存在が現われでもしない限り『盛り上がりようがない』のもこれまた事実ではある。


でも、<生き易い世の中>ってそういうもんじゃないか? 無駄な波風が立たないからこそ過度なストレスを受けずに済む。


もちろん『ストレスがまったくない』なんて環境は存在しないにしても、<過度なストレス>は好ましくないはずだ。特にここじゃ<命のやり取り>も身近だからそういうストレスは常にあるわけで。



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