表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2688/2986

陽編 子供を生んだ意味

『我が子を先に見送るのは親として最大級の不幸だ』


地球人社会ではそんなこともよく言われてたな。俺も、<半分>はその通りだとも思う。だがもう半分は、


『俺の身勝手でこんな世界に送り出した子供達の生き様を見届けられてよかった』


というのも本当なんだ。だから、(ひかり)(あかり)錬慈(れんじ)については俺の方が先に逝ってしまうことになりそうなのを申し訳ないとさえ思う。


こんな風に言うと、


「な~に言ってんのお父さん。お父さんをほっぽって私らが先に逝けるわけないじゃん」


(あかり)がそう言って叱ってくれる。すると(ひかり)も、


(あかり)の言う通り。私達はもう自分で自分の人生を生きてる。お父さんの勝手でこの世に放り出されただけじゃない。それは(ほまれ)達だって同じだよ」


と俺を諫めてくれた。『叱る』のも『諫める』のも、ちゃんと自我を持ち自ら考え理解したことを基に行わないと、ただ『身勝手な感情をぶつける』だけの行為になってしまう。けれど、(あかり)(ひかり)もちゃんと考えて分かった上で言ってくれてるんだ。


二人を見てるとつくづく感じるよ。自分の子供がしっかりと自分の人生を生き始めてようやく『勝手にこの世に送り出した』という事実が許されるんだと。そうなって初めて、


『親に勝手にこの世に放り出されたんじゃない』


と子供の側も思えるようになるんだろうし。なにしろ、


『自分の人生を自らの意思で生きてる』


わけだから。


結局、


『人間として子供をこの世に送り出す』


ってのは、こういうことだと痛感するよ。子供が自らの意思で自分の人生を生きられるようになってやっと<子供を生んだ意味>が完成するんだってな。


もちろん何度も言うように『人生に意味を求める』なんてのは人間(地球人)ならではの<まやかし>にすぎないというのは事実なんだろうが、それでも人間(地球人)は<意味を求めてしまう生き物>でもあるからな。敢えて意味を考えるならそういうことなんだろうと俺は思うんだ。


当然、『俺の考えこそが正しい』とは言わないさ。どこまでいっても俺個人の認識でしかない。ただこれも結局、


『将来の面倒に備えて今のうちに手間を掛けておく』


ことを心掛けているからこそのものだという実感はある。目先の面倒を厭って手間を掛けなかった結果、子供が自分の思うように育たなかったことで嫌気が差して『勝手に生きろ』と投げ出してしまうような状況じゃそんな風には思えないだろうし。


ただそういうのは『自分の人生に責任を負っている』とも言い難いんじゃないかとは思う。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ