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陽編 成人と同じ扱い

実年齢ではまだ十一歳である未来(みらい)ではあるものの、日常的な面ではもうほとんど問題がない程度には、


『この世界での生き方が理解できてる』


と、ビアンカも久利生(くりう)も評価してくれている。


まあ、地球人社会でも十一歳くらいにはそれなりにいろんなことをわきまえてるのも実際にいたしな。もちろん完璧には程遠くとも、ある程度は。


だからこそ、


『小学校高学年にもなればやっていいこと悪いことの区別くらいつくんだから犯罪を犯した時には成人と同じように扱うべきだろ!』


とか主張するのがいたんじゃないのか?


しかし、今の地球人社会は複雑すぎて俺の実感としては十一歳程度じゃ<成人と同じ扱い>というのは合理的と思えないんだよな。むしろ単に親が自分の責任から逃れようとして言ってるだけという印象しかない。<非行少年の親当人>でなくても、


<自分もいつその立場になるか分からないと感じてる親>


のような気がしてしまう。


これ自体は何の根拠もない<俺の個人的な印象>にすぎないから論旨としては無価値だとしても、俺自身は<自分の子供>については生涯に亘って責任を負うのが当たり前という感覚なんだよな。これまでにも何度も言ってきたように、


『こんな世界に子供たちに来てもらうことを決断したのは俺以外の誰でもない』


わけで。子供達が望んで生まれてきたわけじゃない。


『子供は親を選んで生まれてくる』


なんて<オカルト>を信じるつもりも頼るつもりもない。そんなものに縋って心を守ろうとも思わない。『そうするしかない』『そうしなければ精神を保てない』という者は仕方ないにせよ、俺はそうじゃないからな。


もちろん、それなりの年齢になっている子供の場合なら本人にも相応の責任はあるが、このことは『俺に責任は一切ない』という意味にはならない。


だが、そうやって覚悟を持つと、案外大丈夫なもんだよな。<事故>などは別に誰であっても起こす可能性はあるし、事故の危険性を高めるような無謀な振る舞いをしなければもはや<運>レベルの話だろう。地球人社会であればそれに備えて<保険>もあるし。その上でそういう事態に備えて保険に入るなどの対処をしなかったことで大変な思いをするのなら、それは<自分の所為>じゃないか?


俺はロボットを運用することで様々な事態にも備えてきたつもりだし、これによって<不運な出来事>を極力回避してきたつもりだ。


ここまでやってそれでも何かあったなら、そこはもう諦めて受け止めるしかないと思うよ。



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