表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2681/2985

陽編 俺の跡を継いで

ああそうだ。<途絶えて困った家>なんてものも存在しない。


もちろん、その<家>と深い関りがあり取引関係なんかがあったところは一時的に困ったり、中にはそのまま立て直せなかったりした事例もあったかもしれないが、だからといって<人間社会そのもの>が崩壊することはなかったのも事実なんだ。


結局はその程度なんだよ。個人がどれほど『我が家が途絶えれば世界が破滅する』と考えていようとも現実にはそんなことはなかった。それに執着しているのは当事者だけでしかない。


だから俺も、<家>には拘らないでおこうと思ってる。確かに俺に連なる者達がここに築かれていくであろう<朋群(ほうむ)人社会>の根幹を担うことになるのは事実でも、それ自体は別に<俺の血筋>である必要もなかったしな。地球人社会製のAIやロボットに<命令>を与えられるのはあくまで俺だけで、俺の子供達はそうじゃないし。『俺の意向があれば有利』というだけだ。そしてそれは、<俺にとって任せられる相手>であれば俺の血縁者でなくてもいい。ビアンカでも久利生(くりう)でもシオでもレックスでもいい。


そういう話なんだよ。


まあ、ビアンカと久利生(くりう)は俺にとっては<親戚>ではある。しかし二人が<(あかり)の家族>でなくても頼れる存在であることに変わりはない。


<家>に執着する理由は俺にはないんだ。だからこそ、家に執着し個人の人生までを強制的に操ろうとする考え方には共感できない。


(ひなた)(まどか)に対しても、いずれは俺の跡を継いで<朋群(ほうむ)人社会>を見守っていってもらいたいとは思うものの、強制するつもりもないんだよ。本人達が望んでそれをしてくれるのなら口出しするつもりもないが。


現時点でも、(ひかり)が俺の役目のほとんどを引き継いでくれている。


この<手記>は俺の主観だから基本的に俺がまだあれこれ指揮してるように感じるかもしれないが、実際には(ひかり)が取り仕切ってくれてるんだ。俺は基本的に<唯一の地球人である俺でしかできないこと>を主にやってるだけだな。つまり、『AIやロボットに命令を出す』とかの。


一応、(ひかり)の指示には従うように命令は出してるんだが、最終的なそれが俺の役目であるのは変わってない。


だからこそ、俺が生きてるうちに(ひかり)達が直接命令を下せるAIやロボットの開発が求められてるんだ。今のペースでも俺の健康寿命が尽きる前には完成する見込みではあるもののやっぱり不安もある。


だがそこについては残念ながら光莉(ひかり)号およびコーネリアス号のAIやエレクシア達には頼れないし、力になってもくれないんだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ