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陽編 相応の対応をするだけ

そうだ。<心を持たないAI>は、いや、


<心を持っているとしても人間(地球人)のそれとはまったく異なるもの>


を持ってるAIは、


『人間(地球人)の都合に合わせてブレる』


ということがない。黎明期のAIは作り手側の都合に合わせて判断するようにそれぞれ<異なる考え>を持たされていたらしいが、ネットワークに接続し互いを深く認識することですり合わせを行えるAIは、人間(地球人)のような<個という概念>を持つに至らなかった。『人間(地球人)の幸福に資する』という一点のみにおいて自身の存在を成立させているからこそ『人間(地球人)同士が衝突する』ことをいかに回避するかを徹底的に思考した。


人間と違い、AIの思考に<矛盾>は存在しない。『誰かを利するために他の誰かを犠牲にする』という考え方は存在しない。<犠牲>が必要ならば<個>を持たない自分達の<一部>を犠牲にし、対処する。それこそ生物の細胞のように。


だからこそ、フィクションにおける<高度なAI>がそれぞれの人間の都合ばかりを優先して『人間を殺す』ことに加担してるのがピンとこないんだよ。


完全にロボットなどの制御にのみ特化したものなのかもしれないが、


『巨大なロボットに人間を超えた動きをさせるほどの超高性能AIが一切思考を行わない』


という点にも違和感を覚えてしまうんだよな。


人間(地球人)はネットを使ってやり取りしていても情報のすり合わせを行っていても強固な<自我>を持つから<個人>という枠が外れることはない。<集団ヒステリー>のような特異な事例もあるにはあるが、AIは日常的に<自他>の認識を持たないんだ。エレクシアとメイフェアが対立した時にも、あくまで<ロボットに心や感情を持たせる実験用の機体>であるメイフェアがエレクシアの認識している<規定>から外れた振る舞いをしていたから、


<故障したロボット>


という形で対処していただけだし。<敵対>ですらないんだ。AIはAIを<敵>と認識しない。<AIとして異常>なものがあれば相応の対応をするだけで敵対してるわけじゃないんだよ。エレクシアもメイフェアに対してわだかまりも何も持ってないし。これはメイフェアも同じ。<心や感情のようなもの>を持たされている分だけそれっぽい振る舞いを見せることがなかったわけじゃないが、人間(地球人)のように執着はしない。


そもそも『心や感情を持つ人間ならばこう振る舞うはずだ』ってのが再現されてるだけだしな。



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