陽編 地球人とは別の人間
だから<純朋群製AI>についても、基本的には<地球人社会製AI>に準じたものを作り上げていこうと思ってる。
が、いかんせんAIの根幹部分のアルゴリズムの製作が遅々として進まない状態が続いてるんだよな。
『朋群人を<人間>として認識する』
という最も重要な部分の。他については地球人社会製AIのそれを流用すればいいものの、地球人社会製AIはあくまでも地球人だけを人間として認識するように作られているからな。<異星人>と遭遇した際には、
『異星人についても人間と認識するべきか否かを改めて議論する』
という結論が出ているとはいえ、実際にここまで異星人と遭遇していないから、<人間>と<人間以外>を明確に区別するためにそう設定されてるんだ。
ゆえに<地球人として有り得ない生態を持つ朋群人>は<人間>と認識してくれない。エレクシアもメイフェアもイレーネもアリアンも鈴夏も、シモーヌやビアンカや久利生やシオやレックスやルイーゼを人間とは認めてくれてないんだよな。あくまでも<地球人のコピー>という認識でしかない。
まあそれでも見下したり蔑んだり虐げたりしないから具体的な問題はないものの、純粋な地球人である俺と彼女達とのどちらを優先するかと言えば絶対に俺なんだ。彼女達はエレクシア達の認識では『人間じゃない』から。もし俺の安全が脅かされるようならエレクシア達は躊躇なく彼女達を見殺しにもする。俺の意向があればある程度は考慮もしてくれるにしても優先度は決して揺るがない。
AIはその辺りの融通は利かない。そう作られているがゆえに。
だからこそ、<朋群人を人間として認識してくれるAI>は、朋群人社会には必須なんだよ。それが間に入ってくれれば、エレクシア達も朋群人を人間として扱ってくれるようになる。
<地球人とは別の人間>
としてな。
まあ、
『地球人社会製AIとして地球人を優先する』
のは変わらないだろうけどな。地球人が作ったものだからそこは当然だろう。そうじゃなければおかしい。本末転倒そのものだ。ただし、地球人を優先しつつも<法に触れる振る舞い>については適宜<毅然とした対応>をとることにもなるが。
実際、<密猟者>を守るために野生動物を見殺しにはしない。密猟者の身体生命は守りつつ<密猟という不法行為>に対しては厳正な対処を行う。
『身体生命を守る』
ことと、
『不当な利益を得る行為に対して厳正な対処を行う』
というのはちゃんと両立するものだからな。




