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陽編 順序立てて教わらないと

何度も言うように、地球人は<野生>を失ってしまった。だから野生の生き物が持つ習性や形質の多くは地球人自身には当てはまらなくなってしまった。


とはいえ、すべてが当てはまらないわけでもない。特に『子が親の庇護を受ける』という点については、むしろ生き物として脆弱すぎるがゆえにより一層、その必要が出てきてしまっている。二十年近く親の庇護を受けてようやく<成体(おとな)>として認められるくらいだしな。


だからこそ地球人は野生の生き物以上に<子供時代に受ける影響>が重要な意味を持つようになってしまった。複雑なメンタリティを獲得し人間社会に適応して生きるためには<子供時代の生き方>が大切になってしまったんだろう。


野生の生き物でさえ、親の庇護を受けて育つタイプの場合、親の在り方から<生き方>を学ぶ。野生のパパニアンを見ていてもそうだと感じる。しかし、<野生のパパニアンの社会>は地球人のそれほどは複雑じゃない。<仕組み>としても原則は<自助><自力>が基本になっていて、そして実際に自分の力だけでも生きていくのは不可能というわけじゃない。群れに属して<群れの力>を利用した方が有利だからそうするのが望ましいというだけだ。


対して地球人は、<自分一人の力>だけじゃ完全な自然の中に放り出されたら数日生き延びることさえ難しい。怪我一つなく体調が万全な状態ですらそうだ。ましてや衣服を一つもまとっていない状態じゃ、体温を維持することさえままならない。


だからこそ<共助>という形で互いに力を合わせて生き延びるための仕組みを作り上げてきた。食事一つ衣服一つ住居一つ、地球人は自身の力だけでは確保すらままならない。


『ホームレスはガラクタを集めて自分で家を作ったりするだろ!』


と言うかもしれないが、その<家の材料>はどうやって入手する? ただ捨てられていただけの<ガラクタ>であっても元々は誰かが作ったものを不要だからとやはり誰かがそこに捨てたから存在していたものだろう? 自然に勝手に生えてきたものじゃないはずだ。


対してパパニアンは、自然に存在する木の枝や葉を集めて自身の寝床を自ら作る。そしてその作り方については親や群れの仲間達がやってるのを見て学び取っていく。


見ただけで習得できるレベルのものだからな。


だが、地球人社会で地球人が生きていくのに必要な諸々は、『見ただけで習得できる』ようなものはむしろほとんどないだろうさ。


きちんと丁寧に順序立てて教わらないと到底無理だ。



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