表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

267/2991

ボクサー竜の子供と陸号機(これはいったい?)

何だかんだで気持ちがざわついたりもしたものの、過ぎてしまえばまあどうってこともない。ここではほとんどすべてが『そういうもの』っていうことで受け入れるしかないからな。


いくら俺にとって都合が悪い現実だと嘆いてみたところでどうなるものでもないんだ。


なんてことを考えながらも子供達の元気な姿に安堵しつつ、のんびりと時間を過ごしていた。


すると俺の視界の隅を横切る影が。


ドーベルマンDK-aだった。あれは、(ろく)号機かな。だが、


「…ん? なんだ、あれ?」


と思わず声に出てしまう。


ドーベルマンDK-aの後ろを、小さな影がちょこちょことついて歩いてるんだ。


ボクサー竜(ボクサー)の子供、でしょうか…?」


シモーヌが言う。


「確かに、そう見えるな」


俺がそんな風に呟いた時、すごいスピードで奔り抜けたのがいた。(じん)だ。(じん)が明らかに捕食者(プレデター)の動きでボクサー竜(ボクサー)の子供目掛けて走ったんだ。


だが―――――


その気配を察したのか、ボクサー竜(ボクサー)の子供は、ピョンとドーベルマンDK-aに飛び乗り、フレームが剥き出しのせいで隙間だらけのそのボディーの中に隠れてしまったのだった。


そうするとさすがの(じん)もこの怪しい<何か>に対しては強く警戒しているみたいで、急制動を掛けて止まってしまう。


「これは、どういうことなのかな…?」


俺も正直、戸惑うしかできない。何だかよく分からないが、何故かボクサー竜(ボクサー)の子供がドーベルマンDK-aに懐いてしまっているらしいということだけは何とか理解できた気がする。


「もしかすると、インプリンティングかもしれませんね」


「インプリンティング? って、あれか? 卵から孵った雛とかが、生まれて初めて見た動くものを親だと思い込んだりするっていうあれか?」


「はい。と言っても必ず初めて見た動くものを親だと認識するとは限らないんですが、確かにそういう習性を持った生き物はいるんです」


という訳で、ドーベルマンDK-a(ろく)号機の映像情報を確認してみると、なるほど、周囲を哨戒中に地面に落ちていた卵を発見。しかしそれには構わず哨戒を続けようとした時にちょうど卵が孵って、生まれたボクサー竜(ボクサー)の赤ん坊が陸号機の後をついて回る様子が記録されてた。


「しかし、なんであんなところに卵が?」


疑問を口にする俺に対して、シモーヌは答えてくれたのだった。


「もしかすると、他の動物が食べる為に持ち去って、でも落とすか忘れるかして残されていたところに通りかかったのかもしれません」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ