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ルイーゼ編 社会で生きる

『カッコよく生きられないなら死んだ方がマシだ!』


個人でそういう考えを持つのは確かに勝手だろうしそのこと自体にケチをつけるつもりはない。好きにすればいいと思う。だが、それを他人にまで押し付けようとすれば話は違ってくる。そういうのは真っ平御免というものだ。ましてやそういう考えを基に他人の家族の命の価値を測ろうだとか、思い上がりも甚だしい。


今の(ほむら)(さい)の姿は、確かに『カッコよく』はないだろう。それどころか<無様>と言っても差し支えないかもしれない。でもな、カッコいいとかよくないとか、他人のそういう印象は俺の子供達の命には何の関係もないんだよ。俺にとって(ほむら)(さい)も、(ひそか)(ふく)の<忘れ形見>なんだ。他人の勝手な価値観でどうこうされて納得できるような存在じゃない。


どうしてそんなことも理解できないのか、俺にはさっぱり分からない。そうやって他人の家族の命の価値を勝手に決めておきながら自分の命の価値を云々されたらキレるとか、どこまで自分にばかり甘いんだ? 自分の命の価値を云々されたくないのなら他人の命の価値も云々するのはおかしいだろうに。


俺はその当たり前の話をしているだけだ。自分自身や自分の家族の命の価値を勝手に云々されたくないから他人の命の価値も云々しないようにしてる。これは<綺麗事>どころかむしろ<エゴ>の話だ。エゴ丸出しの話なんだよ。


『たとえ社会に負担を掛けてでも自分や自分の家族の命を優先したい』


というな。そんなエゴを丸出しにしておいて他人の命の価値をどうこうとか、おかしいだろう。


そうは思わないか?


ここまで言ってもまるで意に介さない人間もいるのは承知してるさ。


『俺の考えに賛同してもらえて当然』


とは言わない。人間(地球人)というのがそんな物分かりのいい生き物だったら、人間社会で生きる苦労なんてもっと少ないだろうし。


だがそういう現実と俺がどういう考えを持ってどういう生き方をするかは、必ずしも連動しない。<現実>を言い訳にして身勝手に振る舞っていいとは、自分の感情ばかりを優先していいとは思わない。


そんなことをしていたら人間社会なんてのは成り立たないというのも事実だしな。


異なる価値観を持つ者同士が寄り集まって形成するのが<社会>というものだ。だからこそ互いに折り合いをつけて妥協点を見付け出していかなきゃいけない。


『社会で生きる』


というのはそういうことだし、<自分の力>だけで野生の世界で生きていけなくなった人間という生き物である以上はその事実と向き合うしかないんだよ。



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