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ルイーゼ編 緊張による平和

互いに<強い力>を有することで迂闊に衝突できないようにして成立させる、


<緊張による平和>


<武力均衡による仮初の平穏>


は、確かにそれ自体が<人類の知恵>だと思う。


『自分達が相手を傷付けないということを選択できないのを承知している』


からこそのものだったんだろう。今もそれは本質の点では変わっていないと思うが、それすらAIとAIに制御されたロボットに肩代わりしてもらうことで地球人はようやく『相手を傷付けることに執心』しなくても済むようになった。『AIとAIに制御されたロボットが身を挺して守ってくれる』からな。そこまで危機感を覚えなくてもいいんだよ。


それを、『自力でどうにかしようとするのが勇気だ』と考えていた時代の地球人達はきっと馬鹿にするにしても、


『腑抜けた!』


と蔑むにしても、これもまた<人類の知恵>なんだろうさ。俺はそう実感してる。<他責思考>を捨てられないからこそそもそも<自分が傷付けられる心配>を減らすことで『他責思考に執着する必要を減らす』わけだな。


まあそこまでやっても自分が上手くいかない生き難いと感じてしまうのを他の誰かの所為にする人間はいなくならないのも事実ではある。実際、ネットなんかを見てれば好き勝手に他人を罵ってる奴なんていくらでもいたし。


家にメイトギアがいれば精神的なケアもそれなりに行ってくれるのにそういうのさえ無視して振り切って誰かを傷付けようとか、本当にどうかしてる。他人を傷付けることこそが<生き甲斐>であり<生きる意味>だとでも言いたげなのが。


何がそこまでさせるのか……


とは思うものの、俺自身の経験を思い出せばなんとなく気持ちも想像できてしまわないでもない。本当に精神的に追い詰められてる人間ってのは理屈で物事を考えられないんだよな。目先の感情でしか判断できないんだ。それ自体が<精神疾患の一種>とされてるが、本人には分からないんだよ。自分にとって都合のいい結論しか頭になくてそれ以外はすべてが<嘘>なんだろう。だからどうしようもない。しかもそういう人間が、


『価値のない奴は生かしといても無駄だ! 安楽死させてやれ!』


とか口にしたりもする。それが完全に自分自身に返ってくるのに。


自分の間違いをどれだけ論理的に説明されても決して認めようとしないし、そもそもそれができないんだよな。できないからこそそんなことをしてるわけで。


俺は親として自分の子供がそんなことになったら悲しいと思うんだが、そう思わない親もいるらしい。



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