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ルイーゼ編 価値で語るようなものじゃない

まあとにかく、(ほむら)(さい)が認知症を患い『社会の役に立たなくなって』も、ルイーゼと斗真(とうま)の間に子供が生まれて二人がそれを養育しようとしなくても、だからといって、


『この世に必要ない』


なんて言うつもりはないからこそ俺はこうやってあれこれ理屈を考えるわけだ。それを道理として成立させる道を模索するために。それには結局、


『命の価値なんてのは所詮、人間(地球人)がでっち上げた幻想にすぎない。虚構にすぎない』


『命なんてのはただただ生まれて生きて生き抜いてそして死んでいくだけ。価値で語るようなものじゃない』


というのをしっかりと理解するしかないんだと思う。そうじゃなきゃ、今の(ほむら)(さい)や、自分達の子供を育てようとしないルイーゼと斗真(とうま)への<誹謗中傷>は、地球人社会じゃなくならないだろうさ。しかもそんな風に誹謗中傷してくる奴自身に果たしてどんな<人間としての価値>があるのか、俺にはさっぱりだ。働いて金を稼いで税金を納めていれば<価値のある人間(地球人)>なのか? そんな奴が一人二人いなくなっても世の中には何のダメージもないし。『代わりはいくらでもいる』しな。


俺だって働いて金を稼いで税金を納めてたが、その俺が地球人社会を見限っても何の影響もなかっただろうさ。きっと今でも俺が生きていた事実すら誰にも気にされることなく日常の風景が繰り広げられているに違いない。


だが、それでいい。それでいいんだ。そんなもんなんだよ。命なんてのは。そしてだからこそ当人が自身の人生をどう感じるかが大事だし、その人を大切に想う人間の気持ちが大事なんだと思う。他の誰に省みられなくても(ほむら)(さい)は俺の<子供>で、俺は二人の親なんだ。俺が二人の存在を認めてるんだ。他の誰がどう思おうが知ったことじゃない。


それと同じで、ルイーゼと斗真(とうま)の子供も俺達は歓迎する。『生まれてきてくれてありがとう』と言う。誰が、


『育てることもできないなら生むな』


と言おうともな。


「生むのか?」


いわば<義理の父親>的な立場となるドラニに問い掛けられてもルイーゼは、


「別に、どっちでもいい。めんどくさい」


と冷めた様子だった。『めんどくさい』なら堕胎した方が面倒がないと思われるだろうが、彼女にとっては『堕胎すること』自体が面倒なんだろう。成り行き任せで勝手に面倒になっていくことの方がマシなのかもな。


『興味のないことのために自発的に行動する』


よりも。


いやはや、そこまで行くとむしろ感心する。



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