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ルイーゼ編 個体としての資質が大きい

(ほむら)(さい)が認知症を発症した一方で、レオンの(かい)は、明らかに衰えは見せながらも、(ほまれ)と同じくボスの座は譲りながらも、明確な認知症の症状までは見せてなかった。(ほむら)(さい)にとっては<兄>にあたり、年齢は上にも拘わらずだ。これはやはり、より野生に近い、危険が身近な環境にいることでそれなりに緊張が持続されているからかもしれない。


もちろんだからと言って、


『危険が身近な厳しい環境こそが健康にいい』


なんて言うつもりはないさ。ある程度の緊張感はあった方がいいにしてもそもそも人間(地球人)の体は長時間の緊張状態には耐えられないようになってしまってるわけで。それどころか逆に過度の緊張により脳が疲弊して衰えを速めてしまう可能性だってあるとも聞いた。それじゃ意味がないだろ。とにかく<野生に生きる者達>の在り方をそのまま人間(地球人)に当てはめることはできなくなってしまっているんだろうさ。


まあそれに、一緒に生まれたはずの(そう)が何年も前に亡くなったという点から考えてもあくまで(かい)自身の<個体としての資質>が大きい気がする。そして(かい)は、臆病で<身内の死>に大きく動揺してしまうという特徴は持っていても実際にそれが(かい)自身の体調などに大きな影響を与えるかと言えばそれほどでもないようなんだ。もしかするとむしろ、


<ストレス耐性が高い個体>


なのかもな。別にストレス耐性を高めるような工夫をした覚えもないのにだ。


地球人はえてして、


『ストレス耐性を高めるため』


だとか言って他者に対して理不尽な振る舞いをしたりするものの、それには科学的根拠は実際にはないらしい。確かに<慣れ>というのは重要な要素でありつつ、<慣れ>なんてのは必ずしもいい方向にだけ働くわけじゃなく、


『他者の痛みや苦しみに対して鈍麻する』


という面も確かにあるんだ。<暴力に慣れた者>は他者に暴力を振るうハードルが確実に下がるそうだしな。なにしろ自分が<暴力を振るわれる痛み>に慣れてしまっている分、他人も自分と同じ程度にしか感じていないだろうと考えがちだとも言われている。


他者に対して理不尽に暴力を振るう輩に、<暴力的な環境下で育った者>が多いのはそれが大きいらしい。そんなのは、


『他人の痛みが分かる』


のとは正反対だろ。単に、


『他人が感じている痛みを自分が感じているそれと同等程度としか想像していない』


だけだ。『他人の痛みが分かってる』わけじゃない。


そこをわきまえなきゃ駄目だと俺は思ってる。



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