ルイーゼ編 成り行きに任せようという結論
まあ、俺が地球人社会で暮らしていた頃には薬も自動車をはじめとした車両の多くもAIによって管理・制御されてたからそもそも<正しくない使い方>なんてのは、よっぽど確固たる意志をもって意図的にAIの管理・制御をかいくぐらないとできなかったけどな。そしてそれは明確な<不法行為>でもある。
<法に則った正しい使い方>であればAIは別に注意喚起こそすれ別に止めたりはしない。AIが止めるのは完全に法に反した行為だけだ。その程度の判断は今のAIならできる。
残念ながら俺達が作ろうとしてる<純朋群製AI>は性能の面から言っても現在の地球人社会製のAIほど高度な判断は難しいだろうが、そこは光莉号やコーネリアス号のAIのフォローも受けつつ運用していこうと思ってる。<純朋群製AI>だと判断に時間がかかりすぎてしまうような事例についてお伺いを立てる感じだな。それでも地球人社会製AIだけで判断するよりは時間もかかってしまうものの、人間がああでもないこうでもないと議論するよりはずっと早いだろう。
そもそも人間ってのは物事を自分に都合よく解釈しがちな生き物だ。法律についても本来の理念を無視して勝手な解釈で運用しようとするなんてのは枚挙に暇もなかっただろう? そして結果的に<有形無実なもの>に成り果てるなんてのもよくある話だったと聞く。
対して今の地球人社会製AIは<勝手な解釈>なんてしないしな。法律の本来の理念について書面に起こすととてもいちいち読んでられないような事細かな補足事項もちゃんと理解して運用してくれる。だからこそ逆に<四角四面な対応>なんてのもしなかったりするんだよ。人間は『そこまで考えるのは面倒臭い』ってことで上っ面の文面通りの解釈を当てはめることもしがちだったりするし。いわゆる<お役所仕事>の一種だな。ただ、確かにそこまで考えるのは大変だと俺も思う。
それらを踏まえた上で、焔と彩については成り行きに任せようという結論に至ったんだ。
これまでも、
『無理な延命はしない』
という方針できたが、これもそれに則したものと言えるか。
もちろん、自分の子供が『昨日までできていたことが今日はできなくなっている』なんて様子を見るのは親としてつらい。つらいが、それを言い出したらそもそもこの集落に住まわせていたこと自体が間違ってたわけで。
シモーヌやビアンカや久利生やシオやレックスが俺の考えに賛同してくれるのは、彼らがそれぞれ<専門家>という一面があるからだろうな。




