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ルイーゼ編 そこが大事なんじゃないか?

確かに『他者を妬む』ということをしなきゃいけない時点で満たされてないんだろうから楽しそうに見えないのが当たり前なのかもしれないが、しかし何をもって『満たされている』と言えるのか、そこが大事なんじゃないか?


何をどうすれば満たされるのか、明確な<答>はあるか? 経済的に『貧しいとは言えない』者であっても、健康であっても、それでもなお他者を妬む人間はいる。『自分より恵まれてる』と考えて妬む。『自分もそうありたい』と望む。


でもなあ、『隣の芝生は青く見える』という言葉もあるように、『恵まれているように見える』だけかもしれないんだよな。むしろそういう事例が多いだろう。


有名であったり名声を得ていたりしていても当人が本当に幸せを感じてるかどうかすら分からないしな。それを、一部分だけを見て妬んだりするんだからつくづく人間ってのは意味不明な生き物だよ。


そういうことに囚われずただ自分が最も自然体でいられる在り方を目指せばいいだろうに、なぜか自分には合わない在り方を求めたりもする。本当に不可解だ。


その点で言えばルイーゼの在り方はむしろ<理想的>だよな。地球人社会の中でしか通用しないだろうし生きられないだろうが、そもそも<地球人という種>自体が地球人社会の中でしか生きられないんだからそこは問題じゃないだろう。彼女の待遇を妬む人間がいるのはある種のリスクではあっても、だからといって彼女に危害を加えるような真似は許されないわけで。その辺りのリスクについてはどういうジャンルの著名人であっても同じだろう。『そんなことをしようとする方が悪い』しな。


『被害者の方にも原因がある』


的な話にしたがる人間は多いが、そんな<加害者の理屈>は論ずるに値しない。<リスクの種類>としては無視できないにしても<道理>としては成立してないからな。そんな理屈を振り回そうとする輩に比べれば<野生の獣>の方がよっぽど潔いし清廉だと思う。<生きる>ということに対して真摯だよ。少なくとも<悪辣>じゃない。


そうだな。斗真(とうま)がまさしく、


<人間の生き方を体得した獣>


かもしれない。自身の<欲求>に従順でありつつ、


<人間として生きていく上で最低限の在り方>


を会得してるしな。決して<器用>とは言えないが、少なくとも自身の仕事を確実にこなし、他者を理不尽に害することなく、基本的に適度な距離感を保とうとしてるわけで。


他者を妬み害そうとするような人間が彼より<まとも>だと思うか?



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