ルイーゼ編 切り替え
ルイーゼが新たに高品質なHiシリコンを発見してくれたおかげで<スーパーキャパシタ(仮)>の生産が始まり、順次、<リチウムイオンバッテリー>との交換が始まった。
ただそうなると今度は<不要になったリチウムイオンバッテリー>をどうするかなんだが、これは専用の設備で素材にまで分解・還元し再利用する形にしている。実はその<専用の設備>というのが<スーパーキャパシタ(仮)>を生産する設備の前段階で作られた設備が基になってたりするんだ。だから、
『スーパーキャパシタ(仮)を作ることでリチウムイオンバッテリーを含むそれ以前の蓄電池のリサイクル設備が作れるようになる』
という副次的な効果があるんだよ。これも大変な<発明>だったわけだ。だから不要になったリチウムイオンバッテリーが負担になる心配もない。まあそれ自体がスーパーキャパシタ(仮)を作るための材料の一部にもなるし。
地球人の科学技術の歴史はその辺りのジレンマの歴史でもあったよな。便利なものを作る際に副産物として発生する<有害物質>の処理であったり。<重金属汚染>なんかは本当に深刻だったと学校の歴史の時間にも習った。小学校でも簡単に触れられるのもあってトラウマレベルに怖かったりもするそうだ。俺自身はそこまでじゃなかったものの『うわあ……』とドン引いた覚えがある。
だが地球人はその辺の失敗も、時間はすごくかかったが経験として活かしてなんとか前に進むことができた。その点については俺も地球人の一人として誇りに思わなくはないし、だからこそ過去の失敗を俺も教訓として活かさなきゃと思うんだ。
そんなこんなでリチウムイオンバッテリーの回収とリサイクルを行いつつスーパーキャパシタ(仮)の生産を行い、切り替えを進めていく。
なお、ここまで幸いそうした事故はなかったもののリチウムイオンバッテリーは『強い衝撃を与えると爆発する』という危険性もあることから、確率は低くとも懸念はないこともなかったんだよな。対してスーパーキャパシタ(仮)は強い衝撃を与えても単に壊れるだけで爆発はしない。大きな規模の化学反応を用いていないから<爆発的な反応>が起こらないからな。そういう意味でも安全性がさらに高まったわけだ。
それもあって、戦闘を行う可能性の高い機体を優先して更新を行っていった。ドライツェンシリーズが最優先で、次いでアリスシリーズだ。アリスシリーズはあくまで人間の日常生活のサポートがメインではあるもののいざとなれば戦闘もこなすからな。




