ルイーゼ編 好みの問題
ちなみにアリスシリーズはメイトギアが蓄積した<人間の心理についてのノウハウ>の多くを受け継いでいるから、と言うか、必要なら順次コーネリアス号のAIや光莉号のAIやエレクシア達から提供してもらえるから、ノウハウ面では実質<安価なメイトギア>程度のものは備えてる形になる。
『コーネリアス号や光莉号のAIやエレクシアから提供してもらって安価なメイトギア程度?』
と思うかもしれないが、<人間の心理についてのノウハウ>はあまりに膨大すぎて一つのAIの記憶領域には収まらないからネットワーク上に保存されていて、必要な時に随時取り出す形になってるんだよな。しかも、今のアリスシリーズだと機能的に十分とは言えないのもあって完全には再現できないんだ。だからまあ、精々が安価なメイトギア程度になってしまうと。
それでも今の時点では十分だし。そもそもルイーゼは化粧を拒んでるから関係ないわけで。
ちなみにシモーヌもビアンカもシオも、化粧は自分でしている。ここじゃそこまで拘る人間がいないのもあって、本当に簡単なのでいいんだよ。で、光も同じように最低限のものしかしないし、灯に至ってはそれこそ化粧そのものに興味がないから、ビアンカに肌ケアだけをしてもらってる状態だったり。
地球人社会のように医学的に容姿をコントロールまではできないから、きっとそれが行えなかった当時の状態になってしまうだろうが、<容姿>に関しては<獣人>の形質を受け継いだ者達も増えてくるだろうし、地球人社会以上に多種多様になってしまうだろうなあ。となれば<美醜>もより一層<好みの問題>になるだろうなという予感がある。
例えば<クモが苦手な人間>であればビアンカの見た目は苦手になるだろうし、<ヘビが苦手な人間>であればルコアの見た目は苦手になる可能性が高いわけで。さらにメイガスに至っては完全にクロコディアで、斗真はルプシアンだ。苦手だと感じるのが出てきてもなにも不思議はないんじゃないか?
だから俺は、<苦手と感じること>自体を規制するつもりは毛頭ないんだよ。そんなことまで干渉すれば定型的な<ディストピア>になってしまう気もするしそれでなくてもAIに社会の管理の大部分を任せることになるわけで、その時点で『ディストピアだ』と感じる人間もいるだろうさ。
まあ、ここに生まれてくる人間の場合は最初からそういう仕組みが出来上がっていることになるから、意識することさえないかもしれないが。




