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ルイーゼ編 受け継ぐ必要もない

しかしその一方で、ルイーゼが確かに斗真(とうま)に魅力を感じているのは間違いなくあるのは伝わってくる。彼が作る<鉄のインゴット>は必ず彼女のチェックを通してから出荷される。彼が作るそれの<美しさ>を彼女がしっかりと堪能してからってことなんだ。


しかも、特に気に入った出来のものについては出荷せずに手元に残し、<息抜き>としてそれを手に取り眺めてうっとりとした表情をしばしば見せているとのこと。


完全な<商業上の仕事>としてやっているものであればそんな公私混同は望ましくないかもしれないが、今の時点ではそこまでシビアな話でもないし、実際に大きな影響はないからこのくらいは彼女の功績に対するささやかな<褒賞>みたいなものだと考えればいいんじゃないか。


と俺は考えてるんだよ。まあこの判断についても異を整える者がいずれ出てくる可能性はあるだろうが、その時はその時だ。


世間一般で思われてるような<微笑ましい関係>じゃないとしても、二人がそれで納得しているのならば余計な口出しは野暮というものだろう。


それどころかいつか二人の関係が破綻するにせよ、やっぱりあくまで二人の問題だしな。そこで<刃傷沙汰>にでもなるのなら干渉しないわけにもいかないだろうが、その辺りはアリニとドラニに対処を任せるさ。何しろアリニとドラニは斗真(とうま)にとっては<両親>のようなものだ。


ということは、ルイーゼにとっては義理の両親も同然ということ。家族の問題は家族内で解決してくれるだろう。それができない時に第三者が関わればいい。


他人の家庭の問題に第三者が無遠慮に口を挟んだりして面倒なことになった事例が地球人社会にはありふれてたのは事実。何の責任を負うこともできない、という以前に負う気もない人間が好き勝手騒ぎ立てて滅茶苦茶にしたりという。


それも人間(地球人)の悪癖の一つだったなあ。


そういう悪癖をわざわざ受け継ぐ必要もないさ。だから俺はとやかく口出しすることはしない。それと同時に、ルイーゼと斗真(とうま)の事情については分かる限りでは情報共有をしておく。もちろんルイーゼが承諾してくれている範囲の話だが。


『分からないからこそどこで線引きしていいのかが見極められない』


というのもあったりするだろうしな。そもそも『見極めるつもりがない』ようなのもいただろうが、これまた<個別の事例><個別の事情>ということだろう。


俺達は、ここに社会を築いていくにあたってその辺りについてもしっかり考えていかなきゃと思ってる。



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