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ルイーゼ編 プロローグ

ルイーゼは、<惑星探査チーム・コーネリアス>のメンバーの一人、


<ルイーゼ・バーンシュタイン>


のコピーである。


<鉱物のスペシャリスト>であったルイーゼ・バーンシュタインの完全なコピーであるがゆえにオリジナルの彼女の能力の全てが再現されていて、記憶も人格もそのままだった。その点は、シモーヌやビアンカや久利生(くりう)やメイガスやシオやレックスと同じだ。


だからシモーヌ達とこれまた同じくオリジナルがするであろう振る舞いをそのまましているものの、あくまでも<コピー>というのが俺達の共通認識だった。


体が透明な以外は完全にオリジナルが再現されているからこそ、


『自分はオリジナル本人だ』


と当人が主張すればそれを拒むことはできないと思いつつ、シモーヌもビアンカも久利生(くりう)もメイガスもシオもレックスも自らを、


<オリジナルの人格と記憶が再現されているだけの別人>


であると認識してくれている。何しろシモーヌとシオの事例でも分かるように、<同じオリジナルを持つ者>はこれからも現れる可能性が十分にあるからな。それを皆わきまえてくれてるんだ。自分がオリジナルだと主張してしまうと同じように自らをオリジナルであると主張する者が現れた際に非常に難しい話になってしまうのが容易に想像できるわけで。


本当は俺も、そんな小難しいことは考えずにフィクションによくある<転生>として受け入れてしまえば気が楽かもしれないとは思わなくもない。ないんだが現実はフィクションのようにはいかないからな。ましてや権利関係というものが存在する人間社会においては、


『どちらがオリジナルの権利を引き継ぐか?』


で大いに揉めるのは確実だ。目先の感情だけに従っているわけにはいかないんだよ。それよりは自らを別人と認めて個別に新たな権利を獲得した方がずっと合理的ではあるだろうさ。


もちろんそれぞれに葛藤はあっただろうし、内心では今なお葛藤を抱えている者もいるかもしれない。それも承知していたいと思う。が、その一方、『別人である』と認識することで、


<オリジナルが抱えていた様々なしがらみ>


から解放された者もいる。ビアンカや久利生(くりう)がその典型だろうな。オリジナルの久利生(くりう)は地球の名家の跡継ぎであったがゆえにその立場に縛られて自分の人生を自分で決められずにいたし、オリジナルのビアンカは久利生(くりう)に想いを寄せつつもそれが遂げられる可能性はゼロに等しかったそうだ。


しかし互いに<別人>になれたことで救われたわけだな。



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