閑話休題 アリニドラニ村
アリニドラニ村は現在、<鉄の生産拠点>としての役目と、<鉱物資源の研究施設>としての役目を担っていた。
<鉄の生産>を受け持っているのは、ドラニとその弟子であるルプシアンの斗真。
<鉱物資源の研究>を受け持っているのは、アリニとコーネリアス号の乗務員のコピーであるルイーゼ。
という形を基本とし、その補助をドーベルマンMPMおよびホビットMk-Ⅱが行っている。
その総数は二十を超え、<村>としては最大と言っていい規模を誇る状態だ。それに次ぐのがビクキアテグ村だろう。むしろ住人とロボットを合わせた数で言えばビクキアテグ村の方が上回ってさえいる。<鉄の生産拠点><鉱物資源の研究施設>といった役目の点で他に与える影響が大きいだけ<規模の解釈>によってアリニドラニ村を上位に認定しているだけとも言えるだろうか。
実際、製鉄のための高炉が複数並び、物流を担う<ウルトラライトプレーン型のロボット>であるワイバーンや<オートジャイロ型のロボット>であるハチ子だけでなく大量輸送を担当する回転翼機が頻繁に離着陸を行う<空港>を擁することでビクキアテグ村とはまったく異なる<賑やかさ>や<忙しなさ>があって、印象としてもアリニドラニ村の方が賑わいを感じさせるというのもあるだろう。
対してビクキアテグ村は、<のどかな農村>という印象が強い。まあ、<住人の個性>で語るならビクキアテグ村の方が上かもしれないが。
なにしろアリニドラニ村で暮らす<人間>は現時点では斗真とルイーゼだけなのだ。他は全員ロボットなので、そこまで個性は強くない。村の名前の由来ともなったアリニとドラニがそれぞれ他のアリスシリーズやドライツェンシリーズと比べても群を抜いて<人間に近い振る舞い>をしてはいるものの、他は無個性を是とするドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱであるため、強い個性を見せる者がほとんどいないのだ。
さりとて<人間>である斗真はルプシアンでありつつ<腕利きの若い鍛冶職人>だし、ルイーゼの方も<本来は鉱物にしか興味のない研究者でありながらもルプシアンの鍛冶職人である斗真のパートナーともなった変わり者>なので、個々人の個性の点では決して引けを取るものではなかったが。
ちなみに斗真もルイーゼも共に関心のある部分にばかりリソースを割いているため、いまだに子が生される気配すらなかったりも。
なので<人間の住人>が増えるのはまだかなり時間がかかりそうだ。




