表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2476/2988

メイフェア編 普通じゃない者

そんな形でメイフェアの存在は、<(ほまれ)の群れ>の、いや、現在では<(とどろき)の群れ>か、の一部となっていた。決して<仲間>ではないものの、


<群れを構成する要素>


そのものになっていたんだ。これはまさしく、


<人間とロボットのあるべき姿>


とも感じるな。もちろんあくまで、


<現状におけるそれ>


ではありつつ、理想的な形を自然と形成してくれていると思う。と同時に、どんなことでも<例外>はあって、<旭音(あきね)>がそれだな。彼女は明らかにメイフェアのことを、


<自分と同じパパニアン>


として接しているんだろう。一時的にメイフェアに懐いているような振る舞いを見せていた他の子供達は成長と共に『自分達とは違う』と気付いてある程度の距離を置くようになるのが、旭音(あきね)にはなかったということか。


さりとて、<例外>というもの自体が実は、


<あって当然のもの>


だから、白眼視されたりはしたとしても、


『存在そのものを認めない』


というのは『現実を見ていない』以外の何ものでもないのもまた事実。他の群れでは<イジメの標的>にもなるであろうことは事実なんだが、言葉で表現するのはどうにも難しいが、実は、


<野生ならではの認め方>


でもあるような気がしてるんだよな。地球人社会ほどのキャパシティがないがゆえに<例外的な存在そのもの>を養っていけるだけの余裕はないのも事実なんだが、地球人社会における<嫌悪感>とはまた違うもののような印象もあるんだ。


こうして<野生に生きる者達>を間近で見てきたからこそ。


『何か違う』


って感じてしまうんだ。


ただ、<(ほまれ)の群れ((とどろき)の群れ)>の場合は、どちらかと言えば地球人社会寄りの対応がされてるんだとも言えるか。旭音(あきね)は群れの中でイジメられるわけでもなく、しかし<異端>であると認識されてると言うか。他の仲間達は明らかに旭音(あきね)を、


『普通じゃない』


として距離を置いてるのが分かる。


『迫害されるわけでも虐げられるわけでもなくただ<普通じゃない者>としてそこに存在できてる』


とでも言うべきか。


『なんとも絶妙なバランスを保ってる印象がある』


とでも言えばいいのか。


旭音(あきね)自身も自分の立ち位置を承知してるみたいだしな。承知して受け入れてるみたいだしな。


まあそれが成立してること自体が、


<メイフェアがもたらす余裕>


そのものの為せる(わざ)なんだろう。彼女がこの群れに安寧をもたらしてくれているから生まれる余裕なのも確かだし。


旭音(あきね)のような存在を使って自分達のストレスを解消しなくても成り立ってるという意味で。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ