メイフェア編 追い詰められる者
AIやロボットを使ってコスト削減が行えない<AI・ロボット排斥主義者のコミュニティ>の場合では、<出産><育児>だけでなく、<介護>はおろか<医療>そのものの負担も決して小さくないそうだ。
無理もない。AIやロボットを積極的に運用することで人件費を大きく抑えコストを極限まで下げることができている今の地球人社会の根幹部分を否定してるわけだからな。
まあそれでも、<ノウハウの蓄積による効率化>のおかげで二十一世紀初頭頃の<子供に関する負担>に比べればそれなりにマシにはなってるんだとか。
とは言え、
『子供が成人するまで医療も教育も完全に無料』
な他の地域に比べれば負担は紛れもなく大きい。それを、
『AIやロボットに頼らないようにするためのコストだ』
と割り切ることでなんとか納得してる状態らしい。『そこまでするか?』とは正直思うものの、彼らにとってはそこまでしなきゃならないことなんだろう。俺にはまったく理解できないけどな。
ここに作っていくことになる社会においても、<子供に関するコスト>については大幅に下げていこうと思ってる。『完全に無料』とまではいかないかもしれないが、AIもロボットも積極的に運用して可能な限りは下げようと思うんだ。
しかし同時に、
『家を維持するために跡継ぎを作れ』
的な考え方はなるべく避けていきたいとも思ってる。かつての<人間社会>においてはそこまでしなきゃすぐにコミュニティが維持できなくなる可能性があったのかもしれないが、だからこそ必要とされてたのかもしれないが、ホビットMk-Ⅱが存在するだけでも『コミュニティを維持する』ことは難しくなくなるだろうし、何とかなると思うんだよ。アリニドラニ村やアカトキツユ村はそれを検証するためのものでもあるし、実際、問題なく機能してる。
まあ逆にアリゼドラゼ村については以前と同じくアリゼとドラゼが主体になって、そこに必要とあらばドーベルマンMPMを臨時に派遣するのみで運用していて、こちらはこちらでそういうシミュレーションの場になってたり。まあアリゼとドラゼだけでも十分に村を維持されてて検証はできたから今後は変えていく可能性もあるが。
などという余談はさておいて、とにかく<俺の子孫達>を含めた<朋群人>の社会について、
<テロリストにならずにいられない者>
は出したくないと心底思ってる。<テロリストにならずにいられない理由>は作りたくないんだ。<価値観の違い>は仕方ないにしても、それを理由に追い詰められる者をそのままにしておくような社会にはしないつもりだ。




