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メイフェア編 旭久

旭音(あきね)は、他の仲間と一緒にいるよりもメイフェアの傍にいる方が落ち着くようだ。


旭音(あきね)様、皆様のところに戻らなくてよろしいのですか?」


メイフェアがそう声を掛けても、それこそ<パパニアンの言葉>でそれっぽいことを伝えても、


『あなたのところがいい』


的なニュアンスの返事をするだけで聞き入れようとはしないそうだ。


ちなみに<パパニアンの言葉>はさすがに人間(地球人)のそれほどの語彙もないからもっと直接的な言い方になってしまうが、<相手が放っている気配>を察するのは人間(地球人)よりも得意だからか、それも含めて<言語のようなもの>ということか。その辺も合わせた上で意訳してるのでご承知おき願いたい。


もし誰かがこれを読むようなことがあれば注釈を入れておかないと<パパニアンの言葉>について要らぬ誤解が生まれるかもしれないから敢えて触れておく。


とまあそれはさておき、とにかくそんな感じで旭音(あきね)はメイフェアの傍にいることが多いんだよ。


一方、彼女の双子の兄である旭久(あきひさ)は、『妹のことなど眼中にない』という感じで、<若いパパニアン>としての毎日を過ごしていた。


年齢は当然五歳なので<小学校高学年から中学生相当>でありつつ<斥候役の小集団>の一員として働いてくれている。<見習い兵士>みたいなものだな。


<飛び抜けた才能>のようなものまでは感じないが普通のパパニアンとしては十分な働きを見せているし、このまま群れに残るにしても巣立って他の群れに移るにしても十分にやっていけるだろうという印象はある。


<俺を第一世代とした一族の第四世代の一人>


としても立派にやってくれてると思うよ。


なお、旭音(あきね)旭久(あきひさ)の父親で<第三世代>である(あきら)は、敢えて群れからは出ていかず、現在は(とどろき)の下で<小集団のリーダーの一人>として務めを果たしている。


いわば『実家に残っている』状態だとも言えるが、地球人の場合だとそれを揶揄するような風潮も見られたりしたが、パパニアンの社会ではちゃんと自分の役割を果たしていればそれについてとやかく言われるようなことはない。


『実家住まいではありつつちゃんと仕事をして家のことも自らしている』


形になるわけだしな。それについてまであれこれ口出しするのは『野暮に過ぎる』と俺も思うよ。他人の人生の選択に対してなんでそんなに上から目線で偉そうなんだ? って話だな。


自分の価値観を他人に一方的に押し付けるのは回り回って自分自身の首を絞めることになるってのになあ。



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