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焔と彩編 もはや異世界

『竜人の目的地がアカトキツユ村じゃなかった』


場合には角度的にアカトキツユ村を経由する可能性はかなり低下したと判断できるようになったことで離脱を命じたますらおとホビットMk-Ⅱらが『逃げ出した』のを、竜人も怪訝そうにしていたのはなんとなく分かった。


しかも、少し追撃しようとする素振りも見せたもののそれもすぐにやめて、警戒はしつつますらお達を見逃したんだ。深追いの必要はないと判断したのか、それとも危険だと感じたか。そのどちらであっても<理性的な対処>なのは事実だろうな。明らかに(きょう)(がく)夷嶽(いがく)牙斬(がざん)とは違う。


コーネリアス号の搭乗員としての人格や記憶を有していてもいなくても、折り合いをつけて共存できる可能性そのものは高まったかも。


あくまで、


『適切な距離感を保つことができれば』


ではあるが。


どんなに凶暴な猛獣相手であっても適切な距離感を保つことができればリスクはかぎりなく減らせるし、逆に距離感を誤れば、


『飼い犬に手を噛まれる』


ことだってある。それが、


<違う種との関わり合い>


というもののはずだ。俺達はそれをわきまえていかなきゃと思ってる。


まあ人間相手の場合だと、向こうから必要以上に踏み込んでくることもあるから必ずしも上手くいくとは限らないけどな。


そこが人間を相手にする時の難しさだ。物理的に距離をとってもそれを一気に飛び越えてくる方法も知ってるわけで。


ちなみに、夷嶽(いがく)牙斬(がざん)とは平穏に共存できている。どちらも子供も複数できてもうすっかり<ただの野生の獣>だ。


<数百キロの距離>


<千数百メートルの高低差>


は、彼ら彼女らにとってはもはや<異世界>に匹敵する<絶対的な隔たり>なんだろうさ。その先にも世界が続いてるとは想像もしてないだろうし。


対して、人間(地球人)にとっては必ずしもそうじゃないどころか、


<旅行気分で飛び越えられるもの>


でしかないだろうが。まあ、<別の惑星>にまで気軽に行けるくらいだから当然といえば当然ではある。


改めて人間(地球人)ってのはとんでもない生き物だよなあ。『なんでこうなったんだろう?』と思わされもするんだ。


今回の竜人は、その辺りはどうなんだろうな。


ますらおとホビットMk-Ⅱらが離脱して一人になってこれからどうするのかを見極めることで、その一端が見えるかもしれない。


できれば穏当に共存できる存在であってほしいよ。無闇に命のやり取りなんかしたくもないしな。地球人社会に生きる人間(地球人)も、今では多くがそれをわきまえてる。


だからこそ繁栄を続けられているんだろうさ。



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