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焔と彩編 対処

アカトキツユ村を守る早期警戒網としてのドローンに捕捉された、


猪竜(シシ)に似た巨大な獣>


は、幸い、


<人間に対して異常な攻撃性を見せる怪物>


ではなかったようだ。それだけでもホッとさせられる。どれほど巨大でも<ただの獣>であればますらおとあんずおよびホビットMk-Ⅱが連携すれば数の暴力で押し切れることは分かっている。たとえ相手が<龍然(りゅうぜん)>であってもだ。


だが、


「対象の熱分布を詳細に確認しましたところ、一般的な猪竜(シシ)には見られない高熱を発生させている箇所が確認できました」


ドローンに装備された赤外線センサーによる映像を解析したエレクシアがそうも告げてきた。


その情報に引っ掛かるものを感じた俺は、


「……エレクシア、念のため出向いてくれるか?」


口にすると、


「承知しました」


あっさりと承諾してくれた。イレーネやドーベルマンDK-aらがいるからだ。


このところイレーネに活躍の機会がまったくなくて<出番>もなかったからそれを与えてやってもいいんじゃないか?と思うかもしれないが、フィクションでならそういう展開もアリかもしれないが、俺達の最強戦力であるエレクシアを出し惜しみしていて取り返しのつかないことになっては元も子もないしな。


そしてエレクシアでさえ対処できないようなのが現れた時にはそれこそ『どうしようもない』という話だろう。


俺の命令を受けてエレクシアは、イレーネとセシリアに、自分の留守中の対処について通信でやり取りし、すぐさまアカトキツユ村の方向に向けて出発した。


もちろんこのまま走っていくわけじゃない。


彼女が出発すると同時に仮設のヘリポートから飛び立ったハチ子が全速力で後を追い、そして追いついたところでジャンプ。空中で掴まってそのまま搭乗する。


互いにリンクして確実な連携が行えるロボットならではのものだ。


曲芸のように思えるかもしれないが、決して<曲芸>じゃない。彼女にしてみれば人間が自転車に乗るかのようなごくごく何気ない動きにすぎない。


そうしてエレクシアに向かってもらった。その間は、イレーネが俺の警護に当たる。性能ではエレクシアには及ばないイレーネでも、<要人警護仕様のメイトギア>であることには変わりないからな。代わりは十分に務まるということだ。


義手義足となった右手と右足も、改良を繰り返すことで、実質的な性能はかなり向上してるしな。


出力や強度は本来のそれではなくても、素人目には、


『オリジナルの状態じゃないんだなと分かる程度の違い』


しか感じられないだろう。



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