表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2402/2987

焔と彩編 ものには限度がある

<資産管理>ってヤツは、ただ正しい数字を出せばいいというわけじゃない。


その数字が何由来で、そしてどこに行くのかを正確に記さないと<管理>にならないからな。


こういうのはそれこそAIの得意分野だろうが、単に数字さえ合ってればいいというわけじゃないのもあって、実際に裏付けを取りに行ったりもしなきゃならない。そのコストがとにかく膨大なんだと。


<地球人社会が巨大になりすぎた弊害>


だな。


それに<経済活動>ってのは社会というものにとっての<生命活動>みたいなもんだから、一部分に溜まりすぎてしまうといろいろ問題もあるらしい。人体において血流が滞ると問題が生じるみたいなもんか。


だから留めておこうとしてもなんだかんだと漏れ出てしまうってのも、ある種の<防御反応>だと考える専門家もいるそうだ。


そりゃそうか。人間の感覚では掴みきれないほどの資産なんて、事実上ないも同然だもんな。


結局、なんでも『ほどほど』が望ましいということだろうさ。


<管理する能力>


が高まればそれだけ大きなものを扱えるようにはなっても、だからこそ人間(地球人)の歴史においても<個人が所有する資産>がどんどん巨大化していった事実があっても、ものには<限度>というものがある。たとえそれが<その時点での限度>ではあっても、いずれそこのハードルをさらに超えることができるようになるとしても、少なくとも現状ではそうだ。その事実は代わらない。


健康寿命が二百年を超えても、<大きなブレイクスルーを生み出す発明>が為されるのはざっと千年に一度とされている。だからその瞬間に立ち会える人間は決して多くない。


まあ、その時点で生きている人間(地球人)の数は二百億とか三百億とかだけどな。そこだけを見たら大変な数のようにも思うだろうが、


<千年の間に生まれて死んでいく人間(地球人)の数>


を思えばな。さすがにそこまでのものとは言えないだろうさ。


朋群(ほうむ)人社会>においては、現状では他の惑星との交流も望み薄な上に、かつての地球のような極端な膨張は回避したいとも思ってるし、まあ<億万長者>が生まれたとしても、地球人社会のそれに比べれば可愛いもんだろうな。


だが、それでいいと思う。


ただし勘違いしてもらっちゃ困るが、俺は別に『儲けることを否定してる』わけじゃないぞ? あくまで、


『ものには限度がある』


という話をしてるだけだ。


そこを履き違えてもらっちゃ話が噛み合わなくなる。


正当な形で儲けるのなら好きにすればいいさ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ