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交代制(せっかく人手も増えたことだし)

「それでは行ってきます」


また今日も、(あかり)を俺に預けてシモーヌは、セシリア、メイフェア、イレーネと共にコーネリアス号に向かう。


それを見送った後、宇宙船に籠ろうとする俺に(よう)がぴったりとすり寄ってきた。はいはい、お相手しなさいってことですな。


(あかり)を寝かしつけてから(よう)の相手をさせてもらう。それにしても最近ますます色気が増したというか、求め方が濃密になった気がするなあ。<女ざかり>ってことなのかねえ。


などと俺が(よう)とイチャイチャしてる間、エレクシアは(ほまれ)の警護の為に密林に入っている。


ところで今回、実はもう一台のローバーも持って帰ることを決めていた。と言うのも、せっかくイレーネが来たので、コーネリアス号に帰るのは交代でということになったんだ。と言うか、単純にイレーネがいるからというだけじゃなく、実は、何度もメンテナンスを受けてる間に、彼女の機能がわずかに回復してきたんだ。それによって、コーネリアス号のドローンとリンクが行えるようになった。


それは、ドローンを目や耳として使うことができるというだけじゃない。それ以上に大きな意味を持つのが、ドローンが備えるAIの余剰部分を利用することで<思考>が行えるようになったという点。<記憶>についても、ドローンを外部記憶媒体にできて、これまでよりもずっといろいろなことが覚えられるようになる。


それでも、本来の性能と比べればまったく話にならない程度のものなので、今のイレーネには(ほまれ)の警護までは任せられないものの、以前も言ったとおり戦闘モードについては特に問題ないことが確認できてるので、エレクシアが(ほまれ)の警護に出てる間はイレーネが家の周辺の警護を行い、その間に、メイフェアとシモーヌがコーネリアス号に帰るという形になる。


そして、セシリアとイレーネがまた別の日に帰るという訳だ。


これは、コーネリアス号に週に二回、メイフェアとイレーネが交代で訪れて(そう)(かい)らの警護も行ってもらうという意味合いもある。


ヒト蛇(ラミア)の接近を警戒してのことだな。


「どうだ? ヒト蛇(ラミア)の方は」


満足した(よう)がまどろんでる間に、俺はタブレットでシモーヌと連絡を取っていた。


「今日のところは近付いてくる気配はないようですね。ただ、念の為、セシリアとイレーネをこちらに残して、警戒することにします。明日の様子を見て、セシリアとイレーネにも帰ってもらいますけど」


シモーヌの判断に俺も異論はない。セシリアがいない分の家事は俺とエレクシアと光とシモーヌで分担すればいい。


メイフェアのメンテナンスを終えて、植物プラントで野菜の収穫を終えて、シモーヌとメイフェアは一足先にこちらに帰る。その間もヒト蛇(ラミア)の様子を確認し、今すぐコーネリアス号の方に近付いてくる訳じゃないことを確認した。


しかも幸いにも、やや離れるような動きをしたんだ。ソーラーバッテリーで動作する母艦ドローンは、ここで製造したバッテリーの性能がアレなこともあって夜間は動けないから、そこから射出されたマイクロドローンでヒト蛇(ラミア)を追う。夜が明けて母艦ドローンが動けるようになればそちらで監視して、マイクロドローンは充電の為に母艦に帰る。


そうやって監視を続けるという訳だ。


なお、コーネリアス号に残ったセシリアとイレーネについては、その間、メンテナンスを受けるのはもちろん、工作室で様々な物品を作ってもらう。こまごまとしたいろいろが必要だからな。


子供らがすぐ壊す窓枠とかな。



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