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焔と彩編 決まった品質

人間はロボットじゃないから、<決まった品質>ってものが存在しない。<それなりに要求される基準>みたいなものはあっても、状況や環境によってもマチマチだしな。


例えば、


<職場で求められる人材>


一つ取っても、


<それぞれの担当者が望むそれ>


でしかないわけで。しかもそれは翻って、


<職場そのものの違い>


でもあるよな。なにしろ、


<異なる考え方や価値観を持った人間がそれぞれ作る職場>


なんだから、違っていなきゃ逆におかしいだろう。そしてその職場をどう受け取るかも人それぞれだ。俺が気に入っていた職場であっても、


『こんなところで働いてられるか!』


と辞めていく人間はいた。しかも俺が気に入っている職場を辞めて、『俺はこんなところでは働きたくないな』と感じてしまう職場に転職したのも何人もいたよ。


彼らにとってはそっちの方が性に合ってるんだろう。えてしてそんなもんだ。


だから、


『あんなところで仕事する奴は馬鹿だ』


みたいには言わないさ。親がそんな言い方をしていたら子供も真似するようになるしな。俺は親としてそういうのは避けたい。


子供にとって、親が使う<強い言葉>は頭に残りがちだ。すぐには真似して使わなくても、成長してから使うようになったりもするそうだ。


もっとも、当の親の方はそれこそ無意識レベルで当たり前のように使ってるから自覚してなくて、自分が言ったと覚えてなかったりするが。


で、子供が<強い言葉>を使い始めたら、


『誰に似たんだか』


などと嘆いたりする。いや、自分が使ってた言葉だろう? それこそ息をするようにな。


『誰に似た』ってことなら、<親>に似たんだろうさ。


そりゃ他人だって同じような言葉を使ってたりするんだろうが、


『その真似をした』


ってことにしようとするなら、それは<責任転嫁>というものだ。しかも、以前からも度々言ってきたと思うが、赤の他人に<影響力>で後れを取る<親>ってなんなんだ? そんなことで<人間>を育てていけると思うのか?


子供はペットじゃないし、ましてや工業製品でもないんだぞ?


自身が子供に与える影響力についてさえ承知してなくて、なにを育てるつもりだ?


その辺りをますます意識させられる。『子供を育てる』だけじゃなくて、<社会>そのものも作っていこうとしてるんだからな。そこでどんな人間に育っていってもらおうとしてるのか具体的に考えずに社会を作るだとか、無責任にもほどがあると俺は思うんだ。


ゲームじゃないんだし。



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