凛編 親戚が一堂に会した
子供達にはそうしてコーネリアス号の中で遊んでいてもらって、<大人>の方は久々に直接顔を合わせての歓談に興じる。
まあ、
『親戚が一堂に会した』
ってことだな。
ところで、子供達だけでコーネリアス号の中で遊ばせていて危なくないか? と思うかもしれないが、今やコーネリアス号の中はどこもかしこもロボットで埋め尽くされてるからな。子供達の姿を見失うことがないし、危険があればすぐに対処できるようになっている。<工作室>や<カーゴルーム>には近付けないように閉鎖中だ。
そもそも、コーネリアス号自体が、長い宇宙船生活をストレスなく過ごせるようにと危険を極力排除した作りになってたんだ。まず戦闘を目的としたものじゃなかったわけで、合理性に極振りした設計にもなってない。それを、資材に転用するために多くを解体してしまったとはいえ、シオとレックスがここに住んでいることから改めて快適な住環境をということで随時リフォームを行ってきて、宇宙船としては機能していなくても、人間が安全に暮らすにはほぼ万全な状態に改めてなっている。木をふんだんに使ったあたたかみのある内装だ。
ちなみに、建築に適した木材も数種発見されていて、それをしっかりと乾燥させた上で使っているから、地球人社会における住宅建材と比べても、体感上はそこまで遜色ないものになってると思う。まあ、実際の耐火性や耐久性については残念ながら足元にも及ばないけどな。これまた地球人社会で使われている専用の設備がないと再現できないんだよ。
いずれここでも代替品の開発は進めていきたいと思っているが、火災や倒壊はないようにしたいが、焦っても仕方ないさ。それに、コーネリアス号の内装として使う分には火災はともかく倒壊の心配はないし。
火災についても、ロボットが常時監視してくれているから危険はないに等しいと言えるな。
それでも、子供達にとってはある意味、<ダンジョン>みたいなものかもしれない。まさに、
<ダンジョンを冒険してる感覚>
なんだろうな。
「本当に元気に育ってくれてるよね」
シモーヌが感慨深げに口にすると、
「はい、それが何よりです」
ビアンカもやはり感慨深げに応えた。二人の様子に、俺も共感しかない。そこに、
「私達の子供だからね」
「そうそう。パワフルで頑丈」
光と灯がどことなく自慢げに言う。
確かに、実子である陽や萌花や蒼穹だけじゃなく、和にまで当てはまってるのを実感するな。
さらにはビアンカの実子の黎明も、姿こそは地球人そのものだがしっかりとアラニーズの血は受け継いでるのが分かるってもんだ。




