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凛編 用心はしながらも

アリアンは、元々は<CH-1047DFFスーパーチヌーク>というフローティングヘリだった。それに、この台地の端にある断崖に引っ掛かるようにして朽ちていたのを発見されたメイトギア<アリアン2CV(ドゥセボー)>のボディからAIだけを取り出して、それまでどうやっても起動しなかった<CH-1047DFFスーパーチヌークのAI>に接続させたことで再起動に成功、そのまま、


『CH-1047DFFスーパーチヌーク自体を新しいボディとした』


のが今のアリアンだ。それもあって、


「この度はご搭乗ありがとうございます。私は当機を預かります<アリアン2CV(ドゥセボー)>と申します。アリアンとお呼びください」


機内のモニターに、メイトギアだった頃の自身の姿を再現したアバターを表示させた彼女が丁寧に挨拶してくれる。


ちなみに<CH-1047DFFスーパーチヌーク>は物資の輸送を主な役割としたヘリなんだが、その中には当然のこととして<人員の輸送>も含まれている。だから、さすがに旅客機ほどの立派なそれじゃないにせよ、座席も用意されている。


折り畳んで収容してカーゴスペースを広げることもできる仕様のが。


実際、普段は収容してるのを、今回は俺達が乗るために一部出してくれてるんだ。


すると錬慈(れんじ)は、たっと駆け寄って一番前の一番窓側の席に自ら座り、窓から外を覗く。


そこは、河の流れが見える窓だった。


「でっかいかわだ!」


興奮してまた声を上げる。彼にとってはそれもまた初めての光景だったからだ。


例の<不定形生物>のこともそうだし、そもそも赤ん坊の時や赤ん坊と変わらない頃に出掛けたところで、<思い出>としても残らない上に、小さな子供を連れての外出はいろいろリスクも高いからな。


<親の自己満足>のために連れまわすのは、俺は共感できない。ましてや実際に体調を崩したりトラブルになったとすればなおさら。


でもまあ、今回は<(そう)の墓参り>だしな。加えて、錬慈(れんじ)自身もおぼろげながら覚えててくれるかもしれない。


だから用心はしながらも出掛けるというわけだ。


俺が行くから、当然、エレクシアもついてきてくれる。エレクシアがいればそれこそリスクはリスクじゃなくなるさ。メイトギアはそのためにいるんだし。


「危ないからちゃんと座ろうな」


言いつつ、<チャイルドシート>を座席にセットして、錬慈(れんじ)をそこに座らせた。コーネリアス号の備品のそれじゃなく、F-1で新たに製造したチャイルドシートだ。


これからもっと必要になるだろうしな。



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